厚生省通達を受けての奈良医大での輸血管理体制の現状

目的:近年の輸血関連の厚生省通達を受け一新した奈良医大の現状を紹介し, 派生する諸問題について検討を加えた. 方法・結果・考察:(1)輸血業務のコンピューターシステム化:市販の輸血ソフトは高価な為, これらを参考にして作製した. (2)出庫血液製剤の保管システム:製剤の安全・有効利用の為の返品システムを徹底させ, 製剤の安全転用と廃棄製剤の減少に繋げる. (3)臨床医の輸血再教育実習:従来の実習以外の新たな実習再教育の実施は本人の自信を深め, また緊急輸血時の的確な判断力を養う上で貴重と思われる. (4)統括方式による自己血採取と末梢血並びに臍帯血幹細胞採取:HIVのウインドーピリオドの観点や...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 44; no. 5; pp. 660 - 661
Main Authors 西田幸世, 辻内智美, 前田美和, 河本順雄, 桶上耕, 内田恵美, 清水幸子, 塚本美保, 加納美恵子, 下山丈人, 藤村吉博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.09.1998
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Summary:目的:近年の輸血関連の厚生省通達を受け一新した奈良医大の現状を紹介し, 派生する諸問題について検討を加えた. 方法・結果・考察:(1)輸血業務のコンピューターシステム化:市販の輸血ソフトは高価な為, これらを参考にして作製した. (2)出庫血液製剤の保管システム:製剤の安全・有効利用の為の返品システムを徹底させ, 製剤の安全転用と廃棄製剤の減少に繋げる. (3)臨床医の輸血再教育実習:従来の実習以外の新たな実習再教育の実施は本人の自信を深め, また緊急輸血時の的確な判断力を養う上で貴重と思われる. (4)統括方式による自己血採取と末梢血並びに臍帯血幹細胞採取:HIVのウインドーピリオドの観点や, 「輸血は血液移植でもある. 」と云うpositiveな面を臨床医に再認識させる. これらは21世紀の輸血医療の根幹をなすものと捉えている.
ISSN:0546-1448