足根骨癒合症の2例

足根骨癒合症は先天的に癒合があっても, 無症状か一過性の軽微な疼痛で経過する例が多い. しかし, 一部の例では, 運動量が増えてくる10歳前後から痛みが強くなってくることがある. 今回, 運動量の増加にともなって疼痛が生じた距踵間の癒合症の2例を経験した. 症例1は, 16歳, 男性. 主訴は, 左足内側部痛. 平成15年1月より, 左足内側部痛が出現した. 痛みは運動後に強く, 荷重できないこともあった. 徐々に痛みが増悪してきたため, 平成16年1月, 当科紹介受診した. 左載距突起部に圧痛を認め, X線像およびCT像で距踵関節癒合症と診断した. 癒合部切除術を行い, 術後3ケ月で疼痛は消...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 54; no. 2; p. 359
Main Authors 高田真一, 酒井昭典, 戸羽直樹, 赤星正二郎, 中村利孝, 古川英樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2005
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Summary:足根骨癒合症は先天的に癒合があっても, 無症状か一過性の軽微な疼痛で経過する例が多い. しかし, 一部の例では, 運動量が増えてくる10歳前後から痛みが強くなってくることがある. 今回, 運動量の増加にともなって疼痛が生じた距踵間の癒合症の2例を経験した. 症例1は, 16歳, 男性. 主訴は, 左足内側部痛. 平成15年1月より, 左足内側部痛が出現した. 痛みは運動後に強く, 荷重できないこともあった. 徐々に痛みが増悪してきたため, 平成16年1月, 当科紹介受診した. 左載距突起部に圧痛を認め, X線像およびCT像で距踵関節癒合症と診断した. 癒合部切除術を行い, 術後3ケ月で疼痛は消失し, スポーツ復帰も可能となった. 成績は, Excellentであった. 症例2は現在外来にて経過観察している症例である. 症例は23歳, 女性. 主訴:右足内側部痛. 現病歴:H8年より右足内側部痛と内果部の腫瘤を認めていたが放置. 長時間の立ち仕事で疼痛が増強し, H14年7月当院紹介受診. 現症:右足関節内果遠位に骨性隆起ありX線像とCT像で後距踵関節の癒合症と診断. 疼痛の軽減が無いために, 現在手術を考慮中である.
ISSN:0037-1033