TBLBで確診を得た転移性肺石灰化症の1例

61歳, 女性. 食欲不振, 嘔吐, 咳漱を主訴として来院. 血清Ca17.6mg/dl, P5.3mg/dlと著明な高Ca血症, 高P血症および腎障害を認めた為, 平成9年1月精査目的に入院. 胸部X-Pにて両肺野にびまん性に拡がる浸潤影を認め, ^^99m Tc骨シンチでは両肺, 胃および骨に集積を認め, Gaシンチでは, 両肺および胃への集積を認めた. TBLBにて病理診断は, 肺組織内に多数の石灰化を認め, 肺石灰化症と診断した. その後, Pamidronateの点滴投与と, Etidronateの経口投与にて, 血清Ca濃度の正常化を認め退院となり, 治療後は胸X-P上も, 肺機能...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in気管支学 Vol. 20; no. 6; pp. 527 - 528
Main Authors 阿部篤朗, 橋本かおり, 藤原寛樹, 山井庸扶, 秋山篤子, 金沢健雅, 清水豊, 本村一郎, 桐山裕二, 奥山俊, 一和多俊男, 平岡仁志, 浜島吉男, 長尾光修, 藤原幸雄, 犬飼俊彦, 竹村喜弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 25.09.1998
Online AccessGet full text

Cover

More Information
Summary:61歳, 女性. 食欲不振, 嘔吐, 咳漱を主訴として来院. 血清Ca17.6mg/dl, P5.3mg/dlと著明な高Ca血症, 高P血症および腎障害を認めた為, 平成9年1月精査目的に入院. 胸部X-Pにて両肺野にびまん性に拡がる浸潤影を認め, ^^99m Tc骨シンチでは両肺, 胃および骨に集積を認め, Gaシンチでは, 両肺および胃への集積を認めた. TBLBにて病理診断は, 肺組織内に多数の石灰化を認め, 肺石灰化症と診断した. その後, Pamidronateの点滴投与と, Etidronateの経口投与にて, 血清Ca濃度の正常化を認め退院となり, 治療後は胸X-P上も, 肺機能検査上も大幅な改善を認めた. 肺石灰化症は, 慢性腎不全長期透析例, 副甲状腺機能亢進症, 悪性疾患等で高Ca血症を伴う際に見られるが, 本症例においては原疾患は未だ不明であり, 今後も注意深い観察が必要と思われる.
ISSN:0287-2137