献血者における血清鉄及び不飽和鉄結合能測定の経験

• Published in: 日本輸血学会雑誌 Vol. 45; no. 1; pp. 42 - 43
• Main Authors: 佐藤美津子, 西村拓史, 瀧本宏美, 西尾由美子, 福家洋子, 野崎正範, 内田立身
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 日本輸血学会 01.02.1999
• ISSN: 0546-1448

一般に健康人といわれる献血者において, 血清鉄(Fe)及び不飽和鉄結合能(UIBC)を測定する機会を得たのでその結果を報告する. 対象及び方法:香川県赤十字血液センターにて献血可能であった16～64歳の男女を対象とした. Fe, UIBCは自動分析装置(ACA5200オリンパス社)を用い, バソフェナントロリン直接法(Lタイプワコー和光純薬)にて測定した. また, 繰り返し献血を行っている男女では, Fe, UIBCの他, 血清フェリチン値(MEIA法ダイナボット社)を測定し貯蔵鉄への影響を検討した. 結果:Fe値及びトランスフェリン飽和率は男性が女性より高値を示し, 女性では比重が正常域にも係わらず低値を示したものが多く認められた. 繰り返し献血者では, 男性26名でトランスフェリン飽和率37.8±11.5%, 女性194名で26.3±9.7%, 血清フェリチン男性99±43, 女性32±23ng/mlであり, 女性で貯蔵鉄が枯渇するものが認められた. 考察:献血者におけるFe, UIBCの測定及び貯蔵鉄の評価は, 比重落ち献血不適者の対策に有用な情報を提供するものと考えられる.