心房付着端の推定を試みた房室結節三重伝導路の1例

症例は64歳, 女性. 主訴は頻回の動悸発作. 発作時心電図は, 偽性S波を認めるnarrow QRS頻拍(PSVT#1)であった. 心臓電気生理学的検査では高位右房2連発早期刺激でlong RP'型の頻拍(PSVT#2)が誘発され, その開始様式より房室結節三重伝導路であると推定された. Koch三角底部で焼灼後PSVT#2が消失, PSVT#1が誘発されるようになった. 右室心尖部連続刺激により逆行P波の最早期興奮部位を冠静脈洞入口部の弁輪と対側に見いだし, 同部位の焼灼でPSVT#1も誘発されなくなった. 2本の遅伝導路が冠静脈入口部の弁輪側と心房側の2ヵ所に付着していたと推定...

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Published in心臓 Vol. 37; no. 3; pp. 225 - 230
Main Authors 須崎陽子, 白山武司, 坂谷知彦, 万井弘基, 阪本貴, 山本卓, 松原弘明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本心臓財団 15.03.2005
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ISSN0586-4488

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Summary:症例は64歳, 女性. 主訴は頻回の動悸発作. 発作時心電図は, 偽性S波を認めるnarrow QRS頻拍(PSVT#1)であった. 心臓電気生理学的検査では高位右房2連発早期刺激でlong RP'型の頻拍(PSVT#2)が誘発され, その開始様式より房室結節三重伝導路であると推定された. Koch三角底部で焼灼後PSVT#2が消失, PSVT#1が誘発されるようになった. 右室心尖部連続刺激により逆行P波の最早期興奮部位を冠静脈洞入口部の弁輪と対側に見いだし, 同部位の焼灼でPSVT#1も誘発されなくなった. 2本の遅伝導路が冠静脈入口部の弁輪側と心房側の2ヵ所に付着していたと推定された.
ISSN:0586-4488