当院輸血部における末梢血幹細胞採取状況とその解析

近年, 末梢血幹細胞移植術(PBSCT)は, 大量化学療法を安全に行える治療法として急速に普及しつつある. 当院においても平成6年10月より, 輸血部において, 末梢血幹細胞採取(PBSCH)・凍結保存・コロニーアッセイ及びフローサイトメトリーによるCD34陽性率の測定を統括して行うシステム化を実施している. そこで今回, 当院におけるPBSCの採取状況について報告する. 平成6年10月から平成7年8月までの間にPBSCHを行った症例のうち, 悪性リンパ腫8例, 肺癌8例について解析を行った. 採取前治療は, 悪性リンパ腫はCHOP-E, 肺癌はCAV-Eであり, 全例G-CSFでmobili...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 42; no. 3; p. 138
Main Authors 桂薫子, 野村昌作, 大谷哲司, 石田萌子, 北田親穂, 山中吉隆, 北島弘之, 岸本裕司, 福原資郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.06.1996
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ISSN0546-1448

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Summary:近年, 末梢血幹細胞移植術(PBSCT)は, 大量化学療法を安全に行える治療法として急速に普及しつつある. 当院においても平成6年10月より, 輸血部において, 末梢血幹細胞採取(PBSCH)・凍結保存・コロニーアッセイ及びフローサイトメトリーによるCD34陽性率の測定を統括して行うシステム化を実施している. そこで今回, 当院におけるPBSCの採取状況について報告する. 平成6年10月から平成7年8月までの間にPBSCHを行った症例のうち, 悪性リンパ腫8例, 肺癌8例について解析を行った. 採取前治療は, 悪性リンパ腫はCHOP-E, 肺癌はCAV-Eであり, 全例G-CSFでmobilizeした. 1回当たりの採取量については, CFU-GM数, CD34陽性率ともに, 悪性リンパ腫において有意に高い傾向が得られ, 肺癌症例では効率よくPBSCを採取するためにさらに工夫を加える必要があると考えられた.
ISSN:0546-1448