FCMを用いた成分PC中の混入白血球数測定について

フローサイトメーター(FCM)を用いて混入白血球数を測定する方法は確立されてきている. 今回, 成分採血装置3機種9台(A機:5台, B機:2台, C機:2台)を用いて採取されたPC(475本)中の混入白血球数をFCMで測定し, 機種による差やFCMの有用性について検討したので報告する. 「方法」 検体250μLにPI溶液1,000μLを加え蛍光染色後, 標準粒子(Flow-Count)25μLを加えて内部標準法で白血球数をFCMで測定した. FCMはEPICS-XL-MCL(コールター)を用い, 測定はオートサンプラーを用いた. 「結果」 混入白血球数の測定結果は, A機:4.6×10^5...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 47; no. 2; p. 288
Main Authors 平井肇, 川田恵子, 荒谷裕子, 網谷佳奈子, 荒井昭美, 西淵富蔵, 酒井晃
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.04.2001
Online AccessGet full text
ISSN0546-1448

Cover

More Information
Summary:フローサイトメーター(FCM)を用いて混入白血球数を測定する方法は確立されてきている. 今回, 成分採血装置3機種9台(A機:5台, B機:2台, C機:2台)を用いて採取されたPC(475本)中の混入白血球数をFCMで測定し, 機種による差やFCMの有用性について検討したので報告する. 「方法」 検体250μLにPI溶液1,000μLを加え蛍光染色後, 標準粒子(Flow-Count)25μLを加えて内部標準法で白血球数をFCMで測定した. FCMはEPICS-XL-MCL(コールター)を用い, 測定はオートサンプラーを用いた. 「結果」 混入白血球数の測定結果は, A機:4.6×10^5 ~2.9×10^8 個/バッグ(平均2.0×10^7 ,N=324), B機:2.2×10^5 ~1.6×10^8 個/バッグ(平均8.0x10^6 ,N=80), C機No. 1:~6.1×10^4 個/バッグ(N=32), C機No. 2:~4.6×10^8 個/バッグ(N=39)であり, 機種による差が見られた. また, C機では同一機種での差が見られ, No. 2では明らかに採取中に白血球が混入したと考えられたものが39本中6本(15%)に見られた. 原因としては, 採血装置の採血速度などの設定によると考えられ, 特に採血中に採血速度の変更を行った場合に白血球の混入が多く見られた. FCMでは混入白血球を10^2 個/mLまで測定可能であり, オートサンプラーを用いることにより, 30検体を1時間程度で測定できた.
ISSN:0546-1448