コンピュータ導入における輸血管理システムの構築
【目的】従来は, 日赤から供給された血液製剤番号等の管理・輸血部に提出される検体管理・輸血検査結果・自己血輸血管理等, これらの全てを手作業で台帳に記入し, 管理を行っていた.今回, 当院輸血部に初めてのコンピュータシステムを導入することによって, これらが改善され, 輸血に伴う安全性の確保を中心として, より確実で迅速なシステムの構築がはかられたので報告する. 【システム概要】受付業務システムの迅速化:従来の手書きで記入していた煩雑さがなくなり, 検査結果の再発行や各病棟からの依頼確認の問い合わせにも瞬時に対応できるように, 改善が図られている. 輸血依頼申し込み用紙の改訂:T&S,...
Saved in:
Published in | 日本輸血学会雑誌 Vol. 45; no. 2; p. 304 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本輸血学会
01.04.1999
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 0546-1448 |
Cover
Summary: | 【目的】従来は, 日赤から供給された血液製剤番号等の管理・輸血部に提出される検体管理・輸血検査結果・自己血輸血管理等, これらの全てを手作業で台帳に記入し, 管理を行っていた.今回, 当院輸血部に初めてのコンピュータシステムを導入することによって, これらが改善され, 輸血に伴う安全性の確保を中心として, より確実で迅速なシステムの構築がはかられたので報告する. 【システム概要】受付業務システムの迅速化:従来の手書きで記入していた煩雑さがなくなり, 検査結果の再発行や各病棟からの依頼確認の問い合わせにも瞬時に対応できるように, 改善が図られている. 輸血依頼申し込み用紙の改訂:T&S, MSBOSの不適の場合は, 必ず術式を記入してもらうこととし, 今後のT&S, MSBOSに反映できるよう作成した.検体管理システム構築:受付通番も日管理とし, 未処理・検査結果の参照が簡素化され管理が強化された. 在庫管理システム:安全な輸血を行うため血液製剤に関わる入出庫管理が, 画面・リスト上で分類・検索が可能になり, 血液製剤の適正使用化に有用であると思われた. 統計出力システム:統計においても自動集計にて行うことができるようになり, より臨床側の血液製剤の有効利用の把握, また煩雑であった製剤管理の簡素化ができるようになった. 【システム構成】ハード面においては, クライアント・サーバ型の構成をとり, ソフト面ではパッケージソフトにて構築をはかり, OS環境がWindows95, サーバ側がWindowsNTを設定している.操作面では, マウスによるGUI環境操作によって, 画面と簡単な対話形式で構成されている. 【まとめ】数項目においての改善が必要とされる点はみられるが, 他の検査システムにはない輸血システムに特徴的である血液製剤管理・検体管理・輸血検査この大きな3つの柱のシステムがうまくリンク・タイアップされた設定が, 構築できたものと思われた. |
---|---|
ISSN: | 0546-1448 |