薬剤師の意識調査にもとづく調剤業務の電算化に対する評価

「緒言」 先端科学を駆使した医療の中でも, 病院薬剤部の調剤業務は手作業に依存する部分が多く, 近代化が著しく遅れている. さらに, 慢性的な薬剤師不足により, 外来患者の薬待ち時間の延長という不都合も生じており, 調剤業務の機械化の必要性が叫ばれてきた1). その結果として, 散薬分包機を始めとする調剤機器の積極的使用, 処方オーダエントリシステムの入力データを用いた自動薬袋作成2, 3)や自動錠剤調剤4)など調剤の効率化を支援するシステムが導入されるようになった. 処方オーダエントリシステムおよび調剤支援システムの最大のメリットは, 入力データのオンライン転送や, 調剤の自動化などにより,...

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Published in病院薬学 Vol. 21; no. 3; pp. 256 - 264
Main Authors 樋口和子, 塚本豊久, 中野節, 森川則文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本病院薬学会 10.06.1995
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Summary:「緒言」 先端科学を駆使した医療の中でも, 病院薬剤部の調剤業務は手作業に依存する部分が多く, 近代化が著しく遅れている. さらに, 慢性的な薬剤師不足により, 外来患者の薬待ち時間の延長という不都合も生じており, 調剤業務の機械化の必要性が叫ばれてきた1). その結果として, 散薬分包機を始めとする調剤機器の積極的使用, 処方オーダエントリシステムの入力データを用いた自動薬袋作成2, 3)や自動錠剤調剤4)など調剤の効率化を支援するシステムが導入されるようになった. 処方オーダエントリシステムおよび調剤支援システムの最大のメリットは, 入力データのオンライン転送や, 調剤の自動化などにより, 薬剤師の増員なく, 外来患者の会計終了後の薬待ち時間が短縮されることである5, 6). しかし, 多額の開発費用と設備投資を必要とするにもかかわらず, 現在の調剤技術基本料では, 経済的に見合うとは言いがたい. 一方, 患者の質の高い医療を求める権利意識が向上し, 待ち時間短縮や薬に対する説明を要求するようになってきた.
ISSN:0389-9098