慢性過敏性肺炎の四症例に関する検討

当院における慢性過敏性肺炎の4症例に関する検討を行った. 全例女性で年齢は平均63.5歳であった. 症状発現から受診までの期間が約29.1ヶ月であった. 喫煙歴は4例中2例に認めた. 鳥接触歴はインコ等小鳥数羽(室内飼育)が2例で飼育歴は5年~20年であった. 他2例は羽毛布団を使用していた. ガリウムシンチでは全例全肺野にuptakeを認めた. 血清抗体(インコの糞IgG, PDEIgG)は3例が陽性であった. KL-6は全例4000以上であった. リンパ球刺激試験では2例で陽性であった. BAL所見で平均69.5%のリンパ球分画の著増を, CD4/CD8が平均4%と高値を示した. 病理所見...

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Published inサルコイドーシス/肉芽腫性疾患 Vol. 21; no. 2; p. 39
Main Authors 榊原桂太郎, 宮本晴子, 平松久弥子, 榎本達治, 水谷英明, 藤本雅美, 鈴木淳子, 谷内七三子, 阿部信二, 吾妻安良太, 吉村明修, 工藤翔二, 逸見しのぶ, 川本雅司, 福山悠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会 18.09.2001
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ISSN1345-0565

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Summary:当院における慢性過敏性肺炎の4症例に関する検討を行った. 全例女性で年齢は平均63.5歳であった. 症状発現から受診までの期間が約29.1ヶ月であった. 喫煙歴は4例中2例に認めた. 鳥接触歴はインコ等小鳥数羽(室内飼育)が2例で飼育歴は5年~20年であった. 他2例は羽毛布団を使用していた. ガリウムシンチでは全例全肺野にuptakeを認めた. 血清抗体(インコの糞IgG, PDEIgG)は3例が陽性であった. KL-6は全例4000以上であった. リンパ球刺激試験では2例で陽性であった. BAL所見で平均69.5%のリンパ球分画の著増を, CD4/CD8が平均4%と高値を示した. 病理所見ではTBLBにて2例に肉芽腫形成を認めた. 帰宅試験では3例が陰性, 吸入試験では1例が陽性であった. 羽毛布団が原因と思われた1例に対し吸入誘発試験を行い, 陽性所見を得た. 慢性過敏性肺炎は臨床症状に乏しく, 原因抗原の特定が困難なことがある. 動物飼育歴の他, 生活歴にも注意する必要がある.
ISSN:1345-0565