電気刺激の骨格筋興奮性に及ぼす影響
「目的」神経・筋電気刺激が骨格筋細胞興奮性に及ぼす影響については, これまであまり知られていない. 我々は放射性同位元素^^201 Tlを使用して, 種々の刺激条件によるTlイオンの筋細胞内取り込み量を測定し, 筋細胞興奮性の変化をin vivoで検索した. 「対象と方法」対象は8~10週齢のウィスター系ラット(雄)35匹で, 左後肢で坐骨神経を5Hz-10,30V, 20Hz-10,30V, 50Hz-10,30Vの6種類の刺激条件で10分間電気刺激した後, 塩化タリウム溶液(20μCi)0.4ccを尾静脈から注入し, 5分後に左右後肢の前脛骨筋, 腓腹筋, 長趾伸筋, ヒラメ筋を採取した....
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Published in | リハビリテーション医学 Vol. 34; no. 12; pp. 956 - 957 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本リハビリテーション医学会
18.12.1997
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ISSN | 0034-351X |
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Summary: | 「目的」神経・筋電気刺激が骨格筋細胞興奮性に及ぼす影響については, これまであまり知られていない. 我々は放射性同位元素^^201 Tlを使用して, 種々の刺激条件によるTlイオンの筋細胞内取り込み量を測定し, 筋細胞興奮性の変化をin vivoで検索した. 「対象と方法」対象は8~10週齢のウィスター系ラット(雄)35匹で, 左後肢で坐骨神経を5Hz-10,30V, 20Hz-10,30V, 50Hz-10,30Vの6種類の刺激条件で10分間電気刺激した後, 塩化タリウム溶液(20μCi)0.4ccを尾静脈から注入し, 5分後に左右後肢の前脛骨筋, 腓腹筋, 長趾伸筋, ヒラメ筋を採取した. また, 動脈血液と心筋も並行して採取した. ラジオアクテビティーはウェル型シンチレーションカウンターを使用して, ^^201 Tlγ線放出量を計測した. その値からTlイオン取り込み量(%dose/g)を算出し, コントロール群および各刺激群で比較検討した. 「結果と考察」6種類の刺激条件の中で最もTlイオン取り込み量が多かったのは, 5Hz-30Vの場合で, 続いて20Hz-30V, 50Hz-30Vの順であった. 10V刺激では20Hzがよく取り込んだ. 血液と心筋では有意な差を認めなかった. また, 速筋と遅筋の間においても有意な差を認めなかった. 本実験結果は筋細胞膜を介して, Na-Kポンプが賦活される至適刺激条件が存在することを示唆している. |
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ISSN: | 0034-351X |