穿刺吸引細胞診の新しい報告様式

目的:従来, わが国では細胞診の報告様式は長年パパニコロウのクラス分類が使用されているが, 検体の適-不適の記載項目がないこと, 判定基準が明確にされていないなどの理由から, 改善が求められていた. それを受けて2003年5月に日本乳癌学会の「細胞診イン」が作成された. 今回, われわれは本報告様式にもとづき当院の細胞診断の検討を行ったので報告する. 対象:乳腺, 甲状腺, 唾液腺, リンパ節, 骨軟部など穿刺吸引細胞診症例 方法:細胞診断は次のような判定区分と所見より構成されている(日本乳癌学会による新報告様式に準拠). 判定区分は, まず, 検体を適正-不適正に大別しさらに検体適正標本は「...

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Published inJournal of Nippon Medical School Vol. 70; no. 6; p. 603
Main Authors 永井祥子, 土屋眞一, 村瀬幸宏, 佐竹あかね, 浅川一枝, 佐藤春明, 渡會泰彦, 田村浩一, 杉崎祐一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 15.12.2003
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ISSN1345-4676

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Summary:目的:従来, わが国では細胞診の報告様式は長年パパニコロウのクラス分類が使用されているが, 検体の適-不適の記載項目がないこと, 判定基準が明確にされていないなどの理由から, 改善が求められていた. それを受けて2003年5月に日本乳癌学会の「細胞診イン」が作成された. 今回, われわれは本報告様式にもとづき当院の細胞診断の検討を行ったので報告する. 対象:乳腺, 甲状腺, 唾液腺, リンパ節, 骨軟部など穿刺吸引細胞診症例 方法:細胞診断は次のような判定区分と所見より構成されている(日本乳癌学会による新報告様式に準拠). 判定区分は, まず, 検体を適正-不適正に大別しさらに検体適正標本は「正常あるいは良性」「鑑別困難」「悪性の疑い」「悪性」の4項目に分け, 所見として判定した根拠を具体的に記載し, 各種癌取扱い規約組織分類に基づき可能な限り推定される組織型を記載することとした. 考察:新報告様式に即し, 従来の報告用紙の検討, 変更を行い試行した結果, 採取された検体が診断に適正か, 不適正か, また推定組織型を臨床へ明確に伝えることが可能になり, 報告書のもつべき役割が向上した.
ISSN:1345-4676