MBTH-DCP法を用いた糖蛋白質の分析(1)

[目的]従来, 支持体電気泳動法により分離した糖蛋白質の検出にはシッフ試薬を用いた方法1)やCon-A, PODで処理後3, 3'-ジアミノベンチジン(DAB)を用いて検出する方法2)などが用いられてきた. われわれはイムノブロット法における標識PODの高感度な検出法としてメチルベンゾチアゾリノンヒドラゾン(MBTH)クロロフェノール(DCP)を用いる方法を確立し報告3)した. 今回, 本検出法を生体成分の分析に応用する目的でPOD活性の検出に基づく糖蛋白質の分析を試みたので報告する. [材料および方法]試料には担癌(甲状腺癌, 食道癌, 胎児性癌, 肝癌, 他〕ヌードラット血清およ...

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Published in生物物理化学 Vol. 36; no. 5; p. 292
Main Authors 高浜康弘, 西口慶一, 吉田光孝, 今井利夫, 谷本義文, 櫻林郁之介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本電気泳動学会 01.10.1992
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ISSN0031-9082

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Summary:[目的]従来, 支持体電気泳動法により分離した糖蛋白質の検出にはシッフ試薬を用いた方法1)やCon-A, PODで処理後3, 3'-ジアミノベンチジン(DAB)を用いて検出する方法2)などが用いられてきた. われわれはイムノブロット法における標識PODの高感度な検出法としてメチルベンゾチアゾリノンヒドラゾン(MBTH)クロロフェノール(DCP)を用いる方法を確立し報告3)した. 今回, 本検出法を生体成分の分析に応用する目的でPOD活性の検出に基づく糖蛋白質の分析を試みたので報告する. [材料および方法]試料には担癌(甲状腺癌, 食道癌, 胎児性癌, 肝癌, 他〕ヌードラット血清およびヒト癌患者血清を用いた. 糖蛋白質の分離はPAGスラブ電気泳動法および2次元電気泳動法〔PAGIEF-グラジエンドPAG(4-17%)〕を用いた. 検出反応における前処理法は, Ochiaiらの方法2)に準じ, 泳動後のゲルをConA(25mg/ml)で処理し洗浄後, PODと2時間反応させた. 過剰のPODは洗浄後, 本法およびDAB法(33mg DAB004%H2O2-15mM リン酸緩衝液(pH6. 7)により検出した. また, 糖蛋白質のうちPOD様活性を有する成分の分析はo-ジアニシジン法4)に準じて行なった.
ISSN:0031-9082