遺伝子組換え型ヒトインターロイキン-2(S-6820)の体内動態に関する研究(第2報):125I-標識S-6820投与後のラットにおける検討

前報1)において, 著者らはラットにS-6820を静脈内投与したときの体内動態をbioassay法およびEIA法を用いて検討を行い, S-6820の血液および組織からの消失は速やかであり, 腎に高濃度に分布すること, 尿中にそのままの形ではほとんど排泄されないこと, さらに, 腎摘除ラットを用いた検討により, S-6820の主要処理臓器が腎であることなどを報告した. 今回われわれは, S-6820の体内動態をさらに明らかにするため, 125I-標識S-6820(125I-S-6820)を用いて検討を行ったので報告する. 中村ら2)によりNa125Iを用いて合成, 精製された比放射能740~11...

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Published in薬物動態 Vol. 5; no. 2; pp. 179 - 197
Main Authors 西内偉格, 吉田真里子, 木下春樹, 高岸靖, 山田秀雄, 稲沢和博, 中野正行, 能登谷満, 長谷川博司, 水平敏知, 菅野浩一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本薬物動態学会 01.06.1990
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ISSN0916-1139

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Summary:前報1)において, 著者らはラットにS-6820を静脈内投与したときの体内動態をbioassay法およびEIA法を用いて検討を行い, S-6820の血液および組織からの消失は速やかであり, 腎に高濃度に分布すること, 尿中にそのままの形ではほとんど排泄されないこと, さらに, 腎摘除ラットを用いた検討により, S-6820の主要処理臓器が腎であることなどを報告した. 今回われわれは, S-6820の体内動態をさらに明らかにするため, 125I-標識S-6820(125I-S-6820)を用いて検討を行ったので報告する. 中村ら2)によりNa125Iを用いて合成, 精製された比放射能740~1110KBq/ug(20~30uCi/ug)(48~74Bq/U)の125I-S-6820を用いて実験を行った. 合成精製された1251-S-6820は, 非標識S-6820と同様の生物活性および免疫活性を有し, 分子量的にも同等であり, また, 1L-2レセプターとの結合能は保持されていることが確認されている2). 前報1)において, 著者らはラットにS-6820を静脈内投与したときの体内動態をbioassay法およびEIA法を用いて検討を行い, S-6820の血液および組織からの消失は速やかであり, 腎に高濃度に分布すること, 尿中にそのままの形ではほとんど排泄されないこと, さらに, 腎摘除ラットを用いた検討により, S-6820の主要処理臓器が腎であることなどを報告した. 今回われわれは, S-6820の体内動態をさらに明らかにするため, 125I-標識S-6820(125I-S-6820)を用いて検討を行ったので報告する. 合成, 精製された125I-S-6820は, 非標識S-6820を加えて5×10 5U/mlとなるよう調製して用いた.
ISSN:0916-1139