当院におけるHB virus関連医療事故の実態とその対応

医療従事者はHBV感染のhigh risk groupであり, その要因は日常業務における医療事故と考えられている. 当院では昭和51年から職員のHBV健診を行っているが, 職員のHBs抗体陽性率は約30%である. 毎年2~4名の抗体陽転者が認められている. 一方この間にHBV関連の医療事故として57件の申告がなされているこのうち39件は看護婦, 13名は医師であった. 事故の種類は注射針による刺傷が最も多かった. 47名にHBIGの投与が行なわれた. HBs抗体はHBIG投与全例で認められた. HBc抗体陽転が16例に観察された. この内4例はinhibition index×70を示した....

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 34; no. 6; p. 647
Main Authors 前川勲, 阿部茂美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.12.1988
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Summary:医療従事者はHBV感染のhigh risk groupであり, その要因は日常業務における医療事故と考えられている. 当院では昭和51年から職員のHBV健診を行っているが, 職員のHBs抗体陽性率は約30%である. 毎年2~4名の抗体陽転者が認められている. 一方この間にHBV関連の医療事故として57件の申告がなされているこのうち39件は看護婦, 13名は医師であった. 事故の種類は注射針による刺傷が最も多かった. 47名にHBIGの投与が行なわれた. HBs抗体はHBIG投与全例で認められた. HBc抗体陽転が16例に観察された. この内4例はinhibition index×70を示した. 肝炎発症例は認められなかった. 汚染血はHBc抗原陽性血2例, e抗体陽性血16例, e不明血16例であった. なおHBc抗体のsubtypeについての検討も合せて報告したい.
ISSN:0546-1448