下顎智歯歯胚摘出術の検討 ―50症例, 100歯胚摘出術

「緒言」 下顎第三大臼歯は萌出余地がなく骨内に埋伏し, 智歯周囲炎や歯列不正の原因となるなどの理由で抜歯されることが多い. 成人の下顎第三大臼歯抜歯術は口腔外科では日常, 頻繁に行われる手術のひとつであり, その抜歯術に関連する合併症や適応症の報告等は多数ある1~4). しかし, 歯胚段階での下顎第三大臼歯の抜歯については, 矯正歯科から早期抜歯の有用性に関する報告5~7)が散見されるのみで, 合併症, 手術侵襲の程度, 安全性を検討した口腔外科からの報告8~13)は少ない. 今回, われわれは, 歯胚段階での下顎第三大臼歯抜歯の安全性を検討するため, 下顎第三大臼歯歯胚摘出術を行った50症例...

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Published in神奈川歯学 Vol. 44; no. 2; pp. 136 - 140
Main Authors 増田元三郎, 井島喜弘, 本間義郎, 久保田英朗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 神奈川歯科大学学会 30.12.2009
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ISSN0454-8302

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Summary:「緒言」 下顎第三大臼歯は萌出余地がなく骨内に埋伏し, 智歯周囲炎や歯列不正の原因となるなどの理由で抜歯されることが多い. 成人の下顎第三大臼歯抜歯術は口腔外科では日常, 頻繁に行われる手術のひとつであり, その抜歯術に関連する合併症や適応症の報告等は多数ある1~4). しかし, 歯胚段階での下顎第三大臼歯の抜歯については, 矯正歯科から早期抜歯の有用性に関する報告5~7)が散見されるのみで, 合併症, 手術侵襲の程度, 安全性を検討した口腔外科からの報告8~13)は少ない. 今回, われわれは, 歯胚段階での下顎第三大臼歯抜歯の安全性を検討するため, 下顎第三大臼歯歯胚摘出術を行った50症例, 100歯胚について, 歯胚の状況, 手術時期, 麻酔方法, 手術侵襲, 合併症について調査したので報告する. 「対象と方法」 対象は1991年3月から1994年3月までに, 横浜市立港湾病院歯科口腔外科で行われた下顎第三大臼歯歯胚摘出術50症例, 100歯胚である.
ISSN:0454-8302