群馬大学医学部の課題と将来構想

大学審議会が提出した答申「21世紀の大学像と今後の改革方策について」のサブタイトル「競争的環境の中で個性が輝く大学」は, 優れた標語であり, 群馬大学医学部のとるべき指針もこの言葉に凝縮されている. 国立大学をめぐる競争的環境については, 1年半後に迫った国立大学の独立法人化, 実績に基づく予算配分を行うための第三者評価機関の設置などによりその大枠がほぼ確定した. 我が医学部が, 北関東地区の医学教育 研究 医療を担う中核機関として, 今後とも個性的な発展を遂げるためには, この枠組みに適合する諸改革を急速に進めなければならない. 群馬大学医学部は長期目標として, 次の4項目を掲げている. 1...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 52; no. 5; pp. 421 - 422
Main Author 小澤瀞司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 01.09.2002
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Summary:大学審議会が提出した答申「21世紀の大学像と今後の改革方策について」のサブタイトル「競争的環境の中で個性が輝く大学」は, 優れた標語であり, 群馬大学医学部のとるべき指針もこの言葉に凝縮されている. 国立大学をめぐる競争的環境については, 1年半後に迫った国立大学の独立法人化, 実績に基づく予算配分を行うための第三者評価機関の設置などによりその大枠がほぼ確定した. 我が医学部が, 北関東地区の医学教育 研究 医療を担う中核機関として, 今後とも個性的な発展を遂げるためには, この枠組みに適合する諸改革を急速に進めなければならない. 群馬大学医学部は長期目標として, 次の4項目を掲げている. 1)高い倫理観, 高度な技能及び研究心を兼備した医療人及び先端的研究を担う医学 保健学研究者を育成する. 2)先端的生命科学 医学研究を推進し, その成果を新しい医療の創造に活用する. 3)医学 医療に対する地域社会の要請を適切に受け入れ, 地域医療のレベルアップに貢献する. また, 研究成果を公開し, バイオ関連の産学協同研究を推進する. 4)諸外国の医科大学及び研究機関と密接な人的交流を行い, 国際競争力のある研究成果を輩出させると共に, 世界標準に適合する医療人を育成する. 競争的環境の中で, これらの長期目標を効率よく達成するために, 現在, 教育 研究組織の中核を医学部医学科から大学院医学系研究科博士課程に移行させる計画-いわゆる大学院講座化(部局化)計画-が進行している. これが実現すれば, 大学院と学部が一体となって高度医療人と卓抜した研究者を育成すると共に, 先端的生命科学研究とその医療応用を大規模かつ学際的に展開するための体制が大幅に整備される. この大学院講座化(部局化)計画を中心にして, 医学部の当面する課題, 将来展望について述べてみたい.
ISSN:1343-2826