低出力光を用いた光化学療法の研究

HpDで代表される感光色素とlaser光を用いた光化学療法が多くの施設で行われるようになり, その効果も確認されつつある. ところで, 現在光源として用いられているlaserはArgon laserとDye laserとを組み合わせたもので, 価格・操作性・安全性など問題も多く, 光化学療法が広く普及しない理由の1つとなっている. 今回, 我々は低出力のLED(発光ダイオード)を用い, PhotofrinII投与移植腫瘍および培養細胞における長時間照射療法を行った. 〈方法〉ピーク発光波長635nmのLEDをPhotofrinII投与C3H/Heマウス移植腫瘍MH134およびHeLa培養細胞に...

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Published in日本レーザー医学会誌 Vol. 5; no. 2; p. 46
Main Authors 七沢洋, 田中三千雄, 佐々木博, 米川元樹, 中沢郁生, 西坂剛
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本レーザー医学会 01.10.1984
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ISSN0288-6200

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Summary:HpDで代表される感光色素とlaser光を用いた光化学療法が多くの施設で行われるようになり, その効果も確認されつつある. ところで, 現在光源として用いられているlaserはArgon laserとDye laserとを組み合わせたもので, 価格・操作性・安全性など問題も多く, 光化学療法が広く普及しない理由の1つとなっている. 今回, 我々は低出力のLED(発光ダイオード)を用い, PhotofrinII投与移植腫瘍および培養細胞における長時間照射療法を行った. 〈方法〉ピーク発光波長635nmのLEDをPhotofrinII投与C3H/Heマウス移植腫瘍MH134およびHeLa培養細胞に照射し, 組織学的, 細胞学的検討を行った. 〈結果〉移植腫瘍, 培養細胞の両者にArgon-dye laser使用時と同様な抗腫瘍効果が認められた. 〈まとめ〉LEDのような低出力光でも長時間使用することにより, 1aser光と同様に抗腫瘍効果を得る事が確認された. したがって, 消化管のように光源を留置可能な部位の腫瘍に対する新たな治療法の一つになり得ると考えられた.
ISSN:0288-6200