ガンマReACTを用いた不規則抗体検査の検討
従来法による間接抗グロブリン試験は, 検査者の経験や熟練度などに影響され, 特に弱い凝集の判定時には手技, 注意力および観察力などが直接検査結果に大きく作用する. また, 患者に直接影響を与える検査だけに検査者の精神的負担も大きい. これらを解決するため, Solid Phas MethodやMTS,CATなどの検査法が開発され現在自動化も進みつつある. 今回ガンマ社が間接抗グロブリン法として開発したガンマReACTについて不規則抗体検査への応用を検討したので報告する. 方法:過去に当院で検出した不規則抗体陽性検体76患者18種類の抗体, および入院患者の不規則抗体陰性検体を用いて, ガンマR...
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Published in | 日本輸血学会雑誌 Vol. 47; no. 1; p. 56 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本輸血学会
01.02.2001
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ISSN | 0546-1448 |
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Summary: | 従来法による間接抗グロブリン試験は, 検査者の経験や熟練度などに影響され, 特に弱い凝集の判定時には手技, 注意力および観察力などが直接検査結果に大きく作用する. また, 患者に直接影響を与える検査だけに検査者の精神的負担も大きい. これらを解決するため, Solid Phas MethodやMTS,CATなどの検査法が開発され現在自動化も進みつつある. 今回ガンマ社が間接抗グロブリン法として開発したガンマReACTについて不規則抗体検査への応用を検討したので報告する. 方法:過去に当院で検出した不規則抗体陽性検体76患者18種類の抗体, および入院患者の不規則抗体陰性検体を用いて, ガンマReACT法とガンマRe-ACTに添加液ReADDを加えた方法(以下ReACT-ReADD法)および従来法の試験管による各種検査法を比較検討した. 結果・考察:温式抗体では, PeG-IAT法とReAC-T-ReADD法は同程度に検出感度が良く, 次いでRe-ACT法とAlb-IAT法が同等の結果であった. 生食法やブロメリン一段法で検出される冷式抗体は, ReACT法ではほとんど検出できなかった. このことは, ガンマReACTがIgG型抗体および37℃に反応するIgM型抗体を特異的に検出することによると思われる. 操作法および判定は簡便で従来法よりも判定時の個人差が少なく, 夜間や休日の輸血検査にも有用と考える. |
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ISSN: | 0546-1448 |