Proliferating trichilemmal cystic squamous cell carcinoma(PTCSCC)の2例

症例1:71歳男性. 初診の3年前より右臀部に腫瘤が出現. 徐々に拡大し, 疼痛を伴うようになったため当科を受診した. 症例2:65歳女性. 初診の4ヵ月前より頭部に腫瘤が出現. 徐々に拡大したため当科を受診した. 2例とも粉留と診断し, 局所麻酔下にて全摘術を施行した. 肉眼的には粥状の内容物を有する嚢腫であった. 病理組織では真皮内に有棘細胞よりなる壁を有する, 嚢腫様構造を示す腫瘍が存在していた. 壁は, 外方, あるいは内方に分葉状, 島状に増生しており, 一部では外毛根鞘性角化を示していた. また, 個々の細胞は配列が乱れ, 細胞, 核の大小不同や異形性, 核分裂像を認めた. 以上よ...

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Published inJournal of Nippon Medical School Vol. 70; no. 6; p. 604
Main Authors 矢部朋子, 二神綾子, 川名誠司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 15.12.2003
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ISSN1345-4676

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Summary:症例1:71歳男性. 初診の3年前より右臀部に腫瘤が出現. 徐々に拡大し, 疼痛を伴うようになったため当科を受診した. 症例2:65歳女性. 初診の4ヵ月前より頭部に腫瘤が出現. 徐々に拡大したため当科を受診した. 2例とも粉留と診断し, 局所麻酔下にて全摘術を施行した. 肉眼的には粥状の内容物を有する嚢腫であった. 病理組織では真皮内に有棘細胞よりなる壁を有する, 嚢腫様構造を示す腫瘍が存在していた. 壁は, 外方, あるいは内方に分葉状, 島状に増生しており, 一部では外毛根鞘性角化を示していた. また, 個々の細胞は配列が乱れ, 細胞, 核の大小不同や異形性, 核分裂像を認めた. 以上よりPTCSCCと診断した. 症例1は全身検索では転移を疑わせる所見はなく, 拡大切除術を施行し, 術後約1年経過した現在まで再発はない. 症例2は全身検索中である.
ISSN:1345-4676