脳血管障害例における万歩計を用いた日常生活動作(ADL)の客観的定量的評価の検討
【目的】万歩計を用い, 麻痺を有する脳血管障害患者における日常生活動作(ADL)の客観的定量的評価を試みた. 【対象と方法】振子式万歩計EM-300(山佐時計計器社製)を腰, 四肢の計5カ所に装着し, 24時間後のそれぞれ5カ所の数値を万歩計測定値とした. 対象は脳血管障害例計82例, 振戦のない脳血管性パーキンソン症候群12例, 安静を必要としない入院中の非麻痺入院患者20例, 若年健常者24例の総計138例. ADL評価として, Barthel index(BI)を用いた. 【結果】(1)万歩計5カ所の全合計(以下, TS)が, BIともっとも関連が強かった. BIが60以上では抑うつ状態...
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Published in | リハビリテーション医学 Vol. 29; no. 12; p. 1053 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本リハビリテーション医学会
01.12.1992
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ISSN | 0034-351X |
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Summary: | 【目的】万歩計を用い, 麻痺を有する脳血管障害患者における日常生活動作(ADL)の客観的定量的評価を試みた. 【対象と方法】振子式万歩計EM-300(山佐時計計器社製)を腰, 四肢の計5カ所に装着し, 24時間後のそれぞれ5カ所の数値を万歩計測定値とした. 対象は脳血管障害例計82例, 振戦のない脳血管性パーキンソン症候群12例, 安静を必要としない入院中の非麻痺入院患者20例, 若年健常者24例の総計138例. ADL評価として, Barthel index(BI)を用いた. 【結果】(1)万歩計5カ所の全合計(以下, TS)が, BIともっとも関連が強かった. BIが60以上では抑うつ状態のある例はないのに比し, TSが低値を示す傾向があった. (2)BIが同じ症例では, 脳血管障害例のTSに比し, 脳血管性パーキンソン症候群は低値を示したが, 非麻痺入院患者とは差を認めなかった. (3)脳血管障害例の麻痺側と健常側の万歩計測定値の差は, 健常者の左右差に比し有意に高値を示した. (4)本法による万歩計の臨床応用によりADLの客観的定量的評価の有用性が示唆された. <質疑応答> 近藤克則(船橋二和病院):下肢にも左右差があるということは, 正確に測定されていないということではないですか. 1人の患者の変化を追うのには使えても, 他の患者との比較はできないのではないでしょうか. |
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ISSN: | 0034-351X |