(1) NF1および完全内臓逆位症に合併した検診発見非触知乳癌の1例

NF1と完全内臓逆位症に合併した非浸潤性乳管癌の非常に珍しい症例を経験し報告した. 症例は, 平成17年マンモグラフィ乳癌検診でカテゴリー4の微細石灰化を指摘されA病院を受診したが, 精査の結果異常なしと言われた. 平成18年マンモグラフィ乳癌検診でカテゴリー5の微細石灰化を指摘されB病院受診, 精査の結果乳癌と診断され, 治療のために当科を受診した. 癌の進展範囲が広いため乳房切除を施行した. 病理は非浸潤癌であった. NF1合併乳癌はその特徴的な皮膚結節のため病悩期間が長いこと, さらに腫瘍の触知が困難で, 病変の発見が遅れがちであることより進行癌が多いとされている. 特に今回は検診で発見...

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Published in家族性腫瘍 Vol. 8; no. 1; p. 33
Main Authors 鈴木興太, 片方直人, 室孝明, 佐久間威之, 山田睦夫, 渡辺文明, 野水整, 山口佳子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本家族性腫瘍学会 15.01.2008
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ISSN1346-1052

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Summary:NF1と完全内臓逆位症に合併した非浸潤性乳管癌の非常に珍しい症例を経験し報告した. 症例は, 平成17年マンモグラフィ乳癌検診でカテゴリー4の微細石灰化を指摘されA病院を受診したが, 精査の結果異常なしと言われた. 平成18年マンモグラフィ乳癌検診でカテゴリー5の微細石灰化を指摘されB病院受診, 精査の結果乳癌と診断され, 治療のために当科を受診した. 癌の進展範囲が広いため乳房切除を施行した. 病理は非浸潤癌であった. NF1合併乳癌はその特徴的な皮膚結節のため病悩期間が長いこと, さらに腫瘍の触知が困難で, 病変の発見が遅れがちであることより進行癌が多いとされている. 特に今回は検診で発見された非浸潤性乳癌であり, 検索した限りでは本邦では1症例報告があるのみであった. さらに完全内臓逆位症も合併した症例は自験例が1例目かと思われる.
ISSN:1346-1052