悪性リンパ腫治療中に多発性空洞陰影が出現し, 気管支鏡にて早期に黄色ブドウ球菌肺炎と診断した1例

症例は24歳男性, Non-Hodgkins Lymphoma(diffuse lymphoblastic T-cell)stage IVAの診断で1997年11月当科入院となり, CHOP療法を1コース施行後PRとなり, vincristine, doxorubicin, cyclophosphamide, l-asparaginase, methotrexate, prednisolone併用療法を1コース施行した. 治療開始後30日目, 39度台の発熱が出現し, 胸部レントゲンにて両肺野の多発性空洞影が認められた. 喀痰は認められなかったが, 咽頭より黄色ブドウ球菌, 血液よりBacte...

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Published in気管支学 Vol. 21; no. 2; p. 125
Main Authors 国定浩一, 藤本伸一, 足羽敦子, 高田一郎, 永田拓也, 木浦勝行, 上岡博, 原田実根
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 25.03.1999
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ISSN0287-2137

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Summary:症例は24歳男性, Non-Hodgkins Lymphoma(diffuse lymphoblastic T-cell)stage IVAの診断で1997年11月当科入院となり, CHOP療法を1コース施行後PRとなり, vincristine, doxorubicin, cyclophosphamide, l-asparaginase, methotrexate, prednisolone併用療法を1コース施行した. 治療開始後30日目, 39度台の発熱が出現し, 胸部レントゲンにて両肺野の多発性空洞影が認められた. 喀痰は認められなかったが, 咽頭より黄色ブドウ球菌, 血液よりBacteroides fragilisが検出された. 気管支鏡にて, 陰影のbrushingを施行したところ, 培養にて黄色ブドウ球菌が検出され起因菌と考え, ceftazidimeの抗生剤投与したところ陰影の改善が得られた. 気管支鏡検査にて早期に診断が可能であった黄色ブドウ球菌肺炎の1例を経験したので, 文献的考察も加えて報告する.
ISSN:0287-2137