立位時側方揺動刺激の反応様式と,左右脚荷重差

本報告では, 健常青年および高齢者における側方揺動刺激時の反応様式を調べた. 実験装置には床反力板付き揺動装置と, 磁気式動作分析装置などを用いた. 青年群と高齢者群について, 前後揺動を含む20種類のランダム化した刺激を行った. 結果から体幹を腰部と体幹上部に分けて動作学的観察を行い(その間を腰部関節), 筋パワーを推定して反応様式の分類を試みた. 腰部関節の初期パワー(ILBP)の正負, および左右股関節中点での総合股関節パワーの一および三峰性曲線の特徴から4種類に分類した. 体幹がおおよそ一剛体の運動する時が一峰性, 腰部関節に揺動刺激と反対方向の正の収縮があるのが三峰性である. 一峰性...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 40; no. 10; p. 709
Main Author 山本敏泰
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.10.2003
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ISSN0034-351X

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Summary:本報告では, 健常青年および高齢者における側方揺動刺激時の反応様式を調べた. 実験装置には床反力板付き揺動装置と, 磁気式動作分析装置などを用いた. 青年群と高齢者群について, 前後揺動を含む20種類のランダム化した刺激を行った. 結果から体幹を腰部と体幹上部に分けて動作学的観察を行い(その間を腰部関節), 筋パワーを推定して反応様式の分類を試みた. 腰部関節の初期パワー(ILBP)の正負, および左右股関節中点での総合股関節パワーの一および三峰性曲線の特徴から4種類に分類した. 体幹がおおよそ一剛体の運動する時が一峰性, 腰部関節に揺動刺激と反対方向の正の収縮があるのが三峰性である. 一峰性の場合, 反応角変位が小さいと左右脚荷重差はおおよそ体幹の正味トルクと比例する. 青年と高齢者の比較では, 高齢者では正のILBPはほとんど見られず, 反応の遅れが目立つと共に体幹がより大きく揺動した. 今後は脳卒中片麻痺者の安定性評価に応用していく.
ISSN:0034-351X