当科における最近の下肢切断者の検討

平成7年1月~平成9年12月の3年間に当科で経験した切断者のうち, 手指・足趾切断を除く, 特に下肢切断者の原疾患, 合併症, 予後等について検討を加えたので報告する. 「対象」26例29肢で男性21例23肢, 女性5例6肢, 平均年齢62.5歳. 男性が約8割で, 右側が約7割を占めていた. 「結果と考察」平成7年7例9肢, 平成8年9例9肢, 平成9年10例11肢と年々増加傾向にあり, これは閉塞性動脈硬化の増加によるものであり, 平均年齢でも最も高齢であった. また, 糖尿病を合併するものが12例71%で, さらに人工透析をうけているものは7例41.2%あり, 4例約7割が死亡している....

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 35; no. 12; p. 952
Main Authors 勝山真介, 金田浩治, 住田幹男, 上原千典
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.12.1998
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Summary:平成7年1月~平成9年12月の3年間に当科で経験した切断者のうち, 手指・足趾切断を除く, 特に下肢切断者の原疾患, 合併症, 予後等について検討を加えたので報告する. 「対象」26例29肢で男性21例23肢, 女性5例6肢, 平均年齢62.5歳. 男性が約8割で, 右側が約7割を占めていた. 「結果と考察」平成7年7例9肢, 平成8年9例9肢, 平成9年10例11肢と年々増加傾向にあり, これは閉塞性動脈硬化の増加によるものであり, 平均年齢でも最も高齢であった. また, 糖尿病を合併するものが12例71%で, さらに人工透析をうけているものは7例41.2%あり, 4例約7割が死亡している. その他の死亡例3例も, 脳血管障害, 心不全や呼吸不全を合併した重症例であった. 義足歩行可能例は糖尿のみ, 透析のみ, 糖尿と高血圧の各々1例ずつ計3例17.6%だけで, 年齢では死亡例より高齢であったが比較的軽症例であった. 糖尿病性の切断の予後は概して良好であった. 「まとめ」合併症の多い重症例は, 機能的にも生命予後も不良であるが, 比較的若年での重症者が増えていると思われた.
ISSN:0034-351X