献血を機会に発見されたHCV抗体陽性者の抗体力価別にみたHCV RNA検出結果

献血を機会に発見されたHCV抗体陽性者の抗体力価の分布および抗体力価別にみた血中HCVRNAの有無の検討を行った. 対象と方法:当血液センターにおいて1993年4月から同年7月の3ヵ月間に献血した供血者40,905例のうちHCV PHA法による抗体が陽性であった372例の中から, (1)同一の供血者の重複および, (2)当血液センターで実施しているHCV抗体陽性献血者への告知の影響を除いた, 153例(男性68例, 女性85例)を対象とした. HCV抗体力価はHCVPHA法で検体の2^n 希釈系列による半定量法で測定した. HCV RNAの検出はAMPLICOR(Roche), およびnest...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 41; no. 3; p. 318
Main Authors 水井正明, 藤近和子, 入江充, 和氣義員, 宗像寿子, 守屋尚, 田中純子, 吉澤浩司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.08.1995
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ISSN0546-1448

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Summary:献血を機会に発見されたHCV抗体陽性者の抗体力価の分布および抗体力価別にみた血中HCVRNAの有無の検討を行った. 対象と方法:当血液センターにおいて1993年4月から同年7月の3ヵ月間に献血した供血者40,905例のうちHCV PHA法による抗体が陽性であった372例の中から, (1)同一の供血者の重複および, (2)当血液センターで実施しているHCV抗体陽性献血者への告知の影響を除いた, 153例(男性68例, 女性85例)を対象とした. HCV抗体力価はHCVPHA法で検体の2^n 希釈系列による半定量法で測定した. HCV RNAの検出はAMPLICOR(Roche), およびnested PCR法で行った. 成績および考察:HCV抗体力価は2^5 ~2^7 と2^15 ~2^16 とにピークをもつ二峰性に分布していた. 男女別にみると, 男性では68例中47例が抗体価212以上であるのに対し, 女性では85例中43例が抗体価212以上であり, 男性は女性に比べ抗体力価の高い陽性例の比率が高かった. また, 抗体力価が2^12 以上の89例では87例(98%)にHCV RNAが検出されたのに対し, 抗体力価が2^5 ~2^11 の64例では2例(3%)のみにHCV RNAが検出されたに過ぎず, 抗体力価によりHCV RNAの検出率が大きく異なっていた.
ISSN:0546-1448