輸血システムの再構築
1984年から輸血システムを, ホストコンピューターの基で稼働を開始して10年が経過した. ホスト主導型のシステムから分散処理形態のシステムを目標に, 1993年度1年間はOS/2(IBM)の基でシステムの再構築を開始した. 1994年4月よりクライアント/サーバー方式による輸血システムが本稼働したので現状を報告する. 〔システム〕ホスト機(IBM3090-18J)からLANチャンネル接続装置(IBM3172-1)を介し, トークリングによる4つのループが組まれている. 部内には4台のワークステーイション端末を設置し, そのうち1台がホストのデータベースに相当するサーバーマシンとなり, 専有ホ...
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Published in | 日本輸血学会雑誌 Vol. 40; no. 6; p. 1017 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本輸血学会
01.12.1994
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ISSN | 0546-1448 |
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Summary: | 1984年から輸血システムを, ホストコンピューターの基で稼働を開始して10年が経過した. ホスト主導型のシステムから分散処理形態のシステムを目標に, 1993年度1年間はOS/2(IBM)の基でシステムの再構築を開始した. 1994年4月よりクライアント/サーバー方式による輸血システムが本稼働したので現状を報告する. 〔システム〕ホスト機(IBM3090-18J)からLANチャンネル接続装置(IBM3172-1)を介し, トークリングによる4つのループが組まれている. 部内には4台のワークステーイション端末を設置し, そのうち1台がホストのデータベースに相当するサーバーマシンとなり, 専有ホストマシンとして独立して機能している. 入力はキーとバーコードの何れかで行い, プリンターは用途別にそれぞれ4台設置している. 〔結論〕検査部的業務である輸血検査業務と薬剤部的業務である血液製剤の在庫管理, そして患者情報や輸血歴管理など業務内容が複雑であり, 再構築に1年を要した. 以前システムでは深夜2時間程度のホスト停止を伴うため不便であったが, 今回24時間連続運用可能なシステムとなって, 第3次救命救急センターを抱える輸血センターとしては便利になった. そして, 全国統一はされていないバーコードを利用しての入出庫業務の簡素化, 正確化が計られた. また, ホストヘの会計転送, 輸血歴転送以外はホストから独立しているため, ホストヘの負担を最小限に抑え安定したパフォーマンスが保持されている. 画面上に重ねてウィンドウを開き, 様々な情報が同時参照可能となって効率化された. 〔考察〕予算次第でいかなるシステム構築も可能であるが, 施設規模, 他部門とのインターフェース, 将来展望をふまえた上での有用なシステム作りをしないと無用の長物となってしまう危険性大である. 日赤血液センターでのシステム化も統一がなされていない現状で, 全国から多種多用な血液製剤が納品されてくる. 今後はT&S, MSBOSを含めての手術システムとのインターフェース, 臨床サイドとのオーダリングシステム開発とインターフェースを検討課題として, よりよいシステムづくりを目指したい. |
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ISSN: | 0546-1448 |