介護負担感に関する研究の動向分析

「目的」介護問題への関心が高まる中, 介護負担感に関する研究動向を分析した. 「方法」MEDLINEと医中誌で, burden,strain,distress,scale／介護, 負担, 尺度によるキーワード検索を行った. 介護負担感データベースを作成し, 研究タイプ別, 疾患別, 分野別割合および使用尺度の種類を分析した. 「結果」1)英文603件, 和文89件（抄録36件）が検索された. 2)研究タイプ：総説18.9%, 尺度開発8.4%, 記述12.8%, 比較8.4%, 相関20.2%, 予測20.7%, 介入10.6%であった. 3)疾患別（英／和）：痴呆37.0/15.4（%）,...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 37; no. 11; p. 897
Main Authors 里宇明元, 辻内和人, 藤原俊之, 千野直一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.11.2000
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Summary:「目的」介護問題への関心が高まる中, 介護負担感に関する研究動向を分析した. 「方法」MEDLINEと医中誌で, burden,strain,distress,scale／介護, 負担, 尺度によるキーワード検索を行った. 介護負担感データベースを作成し, 研究タイプ別, 疾患別, 分野別割合および使用尺度の種類を分析した. 「結果」1)英文603件, 和文89件（抄録36件）が検索された. 2)研究タイプ：総説18.9%, 尺度開発8.4%, 記述12.8%, 比較8.4%, 相関20.2%, 予測20.7%, 介入10.6%であった. 3)疾患別（英／和）：痴呆37.0/15.4（%）, 高齢者23.3/61.5, 脳卒中6.8/19.2, 精神疾患8.2/0, 小児5.5/1.9, 悪性腫瘍, 脳外傷4.1/0, RA2.7/0, 神経疾患2.7/1.9, 精神疾患, 心疾患, 呼吸器疾患2.7/0であった. 4）分野別（英／和）：看護16.4/44.9（%）, 精神科24.7/18.4, 公衆衛生19.2/22.4, 老年科9.6/14.3が多く, リハ科は8.2/0に過ぎなかった. 5)尺度としては, Burden Interview,Cost of Care Index,Sense of Competence Questionnaireなどが用いられ, 併せてADL,IADL,QOL, ストレス, 健康状態, コーピングなどが測定されていた. 「結論」介護負担感をめぐる研究の動向が明らかになった. リハビリテーションの立場からの研究は少なく, 今後系統的な研究を推進する必要がある.
ISSN:0034-351X