骨シンチグラフィとMRIによる顎裂部移植骨のViabilityに関する評価

新鮮自家腸骨海綿骨細片移植術は, 口唇顎裂や口唇口蓋裂の骨欠損の修復のみならず, 顎裂部への歯の萌出誘導と移動を可能とする治療法で, 欧米を中心に世界的に広く用いられている1,2. 東北大学歯学部附属病院では, 約18年前から積極的に顎口蓋裂患者の治療に同移植術を取り入れ, 矯正治療を行ってきた3-13. しかし, 移植術を施行した顎口蓋裂患者の中には, 時に術後早期に移植骨が露出したり, 吸収あるいは壊死する症例がみられる3,11. この理由として, 移植骨への血行が再構築されるまでには時間がかかり, その間に移植骨が感染し, 壊死に陥ることが考えられる. しかし, これまでのところ移植骨の...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in歯科放射線 Vol. 40; no. 4; pp. 265 - 275
Main Authors 阪本真弥, 幸地省子, 山崎哲郎, 日向野修一, 高橋昭喜, 庄司憲明, 飯久保正弘, 古内寿, 永坂竜男, 梁川功, 笹野高嗣
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本歯科放射線学会 30.12.2000
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:新鮮自家腸骨海綿骨細片移植術は, 口唇顎裂や口唇口蓋裂の骨欠損の修復のみならず, 顎裂部への歯の萌出誘導と移動を可能とする治療法で, 欧米を中心に世界的に広く用いられている1,2. 東北大学歯学部附属病院では, 約18年前から積極的に顎口蓋裂患者の治療に同移植術を取り入れ, 矯正治療を行ってきた3-13. しかし, 移植術を施行した顎口蓋裂患者の中には, 時に術後早期に移植骨が露出したり, 吸収あるいは壊死する症例がみられる3,11. この理由として, 移植骨への血行が再構築されるまでには時間がかかり, その間に移植骨が感染し, 壊死に陥ることが考えられる. しかし, これまでのところ移植骨の状態を単純エックス線写真やCTで評価した報告3-5,11,14,15はみられるものの, viabilityを経時的に評価し, 上記理由の裏付けとできるような画像所見は報告されていない.
ISSN:0389-9705