肩手症候群に対する局所静脈内交感神経ブロックの治療経験
われわれは脳卒中片麻痺の肩手症候群(SHS)第一病期にある6症例を対象に, レセルピンを用いた局所静脈内交感神経ブロック(IRS)を, このうち2例に星状神経節ブロック(SGB)を施行し, その効果を自覚症状, 他覚所見, サーモグラフィー, 指尖容積脈波によって評価した. 6例とも原疾患は脳梗塞でCT上, 内包後脚に梗塞巣を認めるもの4例, 前運動野・運動野付近に梗塞巣を認めるもの2例であり, SHSの発症や病態への大脳の障害の関与が示唆された. IRSの手技は局所静脈麻酔の手技を基本にレセルピン*1mgを加えた. SGBでは自覚症状・他覚所見ともに改善は見られなかったが, IRSでは自覚症...
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Published in | リハビリテーション医学 Vol. 28; no. 11; pp. 934 - 935 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本リハビリテーション医学会
01.11.1991
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ISSN | 0034-351X |
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Summary: | われわれは脳卒中片麻痺の肩手症候群(SHS)第一病期にある6症例を対象に, レセルピンを用いた局所静脈内交感神経ブロック(IRS)を, このうち2例に星状神経節ブロック(SGB)を施行し, その効果を自覚症状, 他覚所見, サーモグラフィー, 指尖容積脈波によって評価した. 6例とも原疾患は脳梗塞でCT上, 内包後脚に梗塞巣を認めるもの4例, 前運動野・運動野付近に梗塞巣を認めるもの2例であり, SHSの発症や病態への大脳の障害の関与が示唆された. IRSの手技は局所静脈麻酔の手技を基本にレセルピン*1mgを加えた. SGBでは自覚症状・他覚所見ともに改善は見られなかったが, IRSでは自覚症状, 他覚所見, サーモグラムともに良好な改善が認められた. IRSでは一時的腫脹の増悪・起立性低血圧・全身倦怠感の合併症が認められたが, グアネチジンを用いれば合併症は軽減すると思われる. <質疑応答> 菅政和(上戸町病院):外来患者さんへのMTの仕方についてどうですか. 竹内綱吉:IRS施行前に, 手技, 合併症, 効果について患者に対し説明を行っています. 特にブロック後の腫脹と違和感の出現についてはよくムンチラし, OTでのROM訓練に十分取り組むよう促しています. 岡本五十雄(座長):SGBとIRSはどちらが有効と思いますか. 竹内綱吉:(1)今回われわれが得たデータよりIRSの方がSGBより効果・持続時間とも勝っている傾向がみられましたが, まだ施行例が6例と少なく, 今後の検討課題と考えています. (2)今回検討した症例の浮腫はIRSの施行症例についてみられたものです. |
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ISSN: | 0034-351X |