週末外泊制度に対する患者・家族の心理に関するアンケート調査結果について
千葉県千葉リハビリテーション・センターのリハビリテーション(リハ)医療棟60床では, 10年前の開設当初より居宅訓練を施行している. 入院前より人的環境整備等の準備を行い, 入院後2週後より週末1~2日の外泊をする. ここ1年間の病棟での外泊率は平均66.3%である. 外泊の患者・家族への負担度をみるためアンケート調査を行った. 対象は当センター退院後外来通院中の患者87名で, 男性51名, 女性36名. 疾患別では脳出血50.6%, 脳梗塞32.2%であった. 住所は4割が千葉市, 他は千葉県全体にわたった, アンケートの結果を次に示す. 患者の入院生活に対する感想は, “良かった”が33....
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Published in | リハビリテーション医学 Vol. 28; no. 11; p. 862 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本リハビリテーション医学会
01.11.1991
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ISSN | 0034-351X |
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Summary: | 千葉県千葉リハビリテーション・センターのリハビリテーション(リハ)医療棟60床では, 10年前の開設当初より居宅訓練を施行している. 入院前より人的環境整備等の準備を行い, 入院後2週後より週末1~2日の外泊をする. ここ1年間の病棟での外泊率は平均66.3%である. 外泊の患者・家族への負担度をみるためアンケート調査を行った. 対象は当センター退院後外来通院中の患者87名で, 男性51名, 女性36名. 疾患別では脳出血50.6%, 脳梗塞32.2%であった. 住所は4割が千葉市, 他は千葉県全体にわたった, アンケートの結果を次に示す. 患者の入院生活に対する感想は, “良かった”が33.3%, “大変だが役立った”が52.6%であった. 患者の外泊に対する感想は, “良かった”が48.4%で, 女性では57.9%であった. “大変だが役立った”が34.4%であった. 家族の居宅訓練に対する感想は, 喜びを示す肯定的なものが66.3%であった. “うれしかった”は, 男性患者の家族で19.6%, 女性患者の家族で42.9%と差がみられた. 入院中の居宅訓練施行には, 多方面よりの強力なpushとfollowが必要である. 対する反応をみるアンケートの結果, 居宅訓練に対し肯定的意見が高率であった. 患者の48.4%が家に帰ることを“うれしい”と受け取っており, 居宅訓練の必要性を痛感する. 家族側では, “大変である”との意見が88.6%を占め, 今後の課題である. <質疑応答> 安藤徳彦(神奈川リハ病院):(1)どのような時期に外泊指導を開始しておられますか. (2)もしチェック表を利用しておいでなら, その内容を教えていただきたい. (3)外泊が病院入院室料減少につながりませんか. 片桐博子:(1)入院時よりの外泊までの期間:疾患, 一般身体所見のcheckが終わる2 W頃より開始します. (2)チェック表については特に作っていません. 入院前, 入院時に問題点をリスト・アップしています. (3)経済的にはわかりません. 当病棟は黒字です. 加倉井周一(帝京大市原病院):(1)最も頻度の多い脳内出血と脳梗塞患者の平均年齢を教えて下さい. (2)家族の都合で週末に帰れない症例には, どのような指導をしておられるのでしょうか. 片桐博子:患者の平均年齢は60歳代の後半です. |
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ISSN: | 0034-351X |