悪性胸膜中皮腫症例の検討

悪性胸膜中皮腫は確定診断が困難な疾患であったが, 近年, 画像や胸腔鏡などの診断が進歩し, それほど稀な疾患ではなくなってきた. 予後は極めて不良であり, 未だ標準的治療は確立されていない. 今回, 我々は1996年4月から2003年6月までに経験した悪性胸膜中皮腫症例15例について検討した. 症例は男性14例, 女性1例で, 年齢は48歳から71歳, 初発例14例, 術後再発例は1例で, アスベスト暴露歴は2例に疑われた. 診断については他院にて診断された症例もあるが, 当科において画像, 生検, 胸腔鏡により診断された症例がある. 治療については, 15例中, 4例がbest suppor...

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Published in気管支学 Vol. 26; no. 3; p. 250
Main Authors 池田昌人, 寺嶋応顕, 津谷あす香, 金田裕靖, 米阪仁雄, 宮崎昌樹, 佐藤太郎, 田村研治, 倉田宝保, 野上壽二, 中川和彦, 福岡正博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本呼吸器内視鏡学会 10.05.2004
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ISSN0287-2137

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Summary:悪性胸膜中皮腫は確定診断が困難な疾患であったが, 近年, 画像や胸腔鏡などの診断が進歩し, それほど稀な疾患ではなくなってきた. 予後は極めて不良であり, 未だ標準的治療は確立されていない. 今回, 我々は1996年4月から2003年6月までに経験した悪性胸膜中皮腫症例15例について検討した. 症例は男性14例, 女性1例で, 年齢は48歳から71歳, 初発例14例, 術後再発例は1例で, アスベスト暴露歴は2例に疑われた. 診断については他院にて診断された症例もあるが, 当科において画像, 生検, 胸腔鏡により診断された症例がある. 治療については, 15例中, 4例がbest supportive careとなったが, 残る11例についてはCDDPやGEMを中心とした化学療法が施行された. 化学療法の効果は何れもNC, PDであった. 以上の症例について検討する.
ISSN:0287-2137