失神発作を繰り返した高齢のBrugada症候群の1例

原因不明の失神発作を繰り返す高齢のBrugada症候群の1例を経験した. 症例は77歳男性で, 過去に約10回の失神発作を起こしていたが, 突然死は回避されていた. 入院時の12誘導心電図ではV1, V2誘導でsaddle-back型ST上昇が認められたが, Brugada症候群の典型的な所見であるcoved型ST上昇を呈するtype1心電図は得られなかった. ピルジカイニド負荷後の心電図で初めて本所見が得られ, Brugada症候群の診断に至った. 一方, 心臓電気生理学的検査による心室細動の誘発とその自然停止が再現性をもって観察されたことから, 本症例において突然死が回避されていたのは,...

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Published in心臓 Vol. 38; no. 9; pp. 967 - 968
Main Authors 武田寛人, 吉里哲一, 関口祐子, 遠藤教子, 新妻健夫, 三浦英介, 廣坂朗, 大和田憲司, 丸山幸夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本心臓財団 15.09.2006
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ISSN0586-4488

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Summary:原因不明の失神発作を繰り返す高齢のBrugada症候群の1例を経験した. 症例は77歳男性で, 過去に約10回の失神発作を起こしていたが, 突然死は回避されていた. 入院時の12誘導心電図ではV1, V2誘導でsaddle-back型ST上昇が認められたが, Brugada症候群の典型的な所見であるcoved型ST上昇を呈するtype1心電図は得られなかった. ピルジカイニド負荷後の心電図で初めて本所見が得られ, Brugada症候群の診断に至った. 一方, 心臓電気生理学的検査による心室細動の誘発とその自然停止が再現性をもって観察されたことから, 本症例において突然死が回避されていたのは, 心室細動が自然停止していたためと考えられた.
ISSN:0586-4488