HLA適合血小板供給の2例

HLA適合血小板輸血が臨床的に高い効果を上げていることは多く報告されている. 今回我々も医療機関からの要請により初めてHLA適合血小板を供給する機会が得られたので報告する. 症例はAPL1例, AML1例いずれもHLAのマルチな抗体を有し血小板の輸注効果はみられなかった. そこで血液センターの成分献血登録者1039名の中から適合ドナーを選択し, LCT法, AHG-LCT法, PSIFT法の3法の交差試験を実施した後, 両者HLAマッチンググレードでBIXを供給した. 輸注後24時間のCPIは症例1で3.2, 症例2で2.5とランダムPCに比べ高い値を示し出血傾向も改善した. 今後医療機関から...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 34; no. 6; p. 652
Main Authors 堀部泰人, 堀慶久, 佐々木タミ, 新津秀孝, 三浦亮
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.12.1988
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ISSN0546-1448

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Summary:HLA適合血小板輸血が臨床的に高い効果を上げていることは多く報告されている. 今回我々も医療機関からの要請により初めてHLA適合血小板を供給する機会が得られたので報告する. 症例はAPL1例, AML1例いずれもHLAのマルチな抗体を有し血小板の輸注効果はみられなかった. そこで血液センターの成分献血登録者1039名の中から適合ドナーを選択し, LCT法, AHG-LCT法, PSIFT法の3法の交差試験を実施した後, 両者HLAマッチンググレードでBIXを供給した. 輸注後24時間のCPIは症例1で3.2, 症例2で2.5とランダムPCに比べ高い値を示し出血傾向も改善した. 今後医療機関からの適合血小板のオーダーは増して来る物と思われ, 我々はさらにドナープールの拡大を進めるとともに医療機関とコミュニケーションを取り, 血液センターとしても適応のガイドラインを作成し積極的な姿勢を持ってあたりたいと考えている.
ISSN:0546-1448