膝蓋骨骨折におけるリハビリテーション

「目的」膝蓋骨骨折術後におけるcontinuous passive motion(以下CPM)の有用性につき検討した. 「対象および方法」対象は過去5年間に単独膝蓋骨骨折に対して観血的整復術を施行した32例で男性18例, 女性14例, 年齢は18~82歳, 平均46.1歳であった. これらをCPMを使用した群18例と使用しない群14例とに分け, ROMを経時的に計測した. 「結果」CPMを使用した群の1ヵ月後のROMは平均99.2度, 6ヵ月後では135.4度. 使用しない群では1ヵ月後93.2度, 6ヵ月後132.4度であった. CPMを使用した群では4例で膝関節の拘縮を認めたため腰椎麻酔下...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 35; no. 12; p. 960
Main Authors 宮越浩一, 花川志郎, 梶谷充, 高田英一, 三宮将典
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.12.1998
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ISSN0034-351X

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Summary:「目的」膝蓋骨骨折術後におけるcontinuous passive motion(以下CPM)の有用性につき検討した. 「対象および方法」対象は過去5年間に単独膝蓋骨骨折に対して観血的整復術を施行した32例で男性18例, 女性14例, 年齢は18~82歳, 平均46.1歳であった. これらをCPMを使用した群18例と使用しない群14例とに分け, ROMを経時的に計測した. 「結果」CPMを使用した群の1ヵ月後のROMは平均99.2度, 6ヵ月後では135.4度. 使用しない群では1ヵ月後93.2度, 6ヵ月後132.4度であった. CPMを使用した群では4例で膝関節の拘縮を認めたため腰椎麻酔下に関節授動術を施行した. 「結論」CPMを使用した群と使用しない群を比較すると, 膝関節のROMでは大きな差を認めなかったが, CPMを使用した群では4例で関節拘縮に対して授動術を要した. これはCPMを過信し, 日常の大腿四頭筋訓練を怠ったことも原因の1つであると考える. 早期よりCPMを施行することは有用であるが, 膝蓋骨骨折においては大腿四頭筋訓練を含めた日常のリハビリテーションを怠らないことが重要であると考えられた.
ISSN:0034-351X