短下肢装具による足関節制動が歩行中の足底圧中心の軌跡に及ぼす影響

「目的」健常男性7名を対象に, 短下肢装具の内面と外面における足底圧中心の軌跡を計測し, 足関節制動による影響を運動学的に検討した. 「方法」両側金属支柱付右短下肢装具を使用しての15m直進歩行において, 制動なし, 底屈制動のみ, 背屈・底屈制動の各条件下で, 右足底部装具内外の足底圧, 右股・膝・足関節の関節角度, 右下腿の前後方向における加速度を同時記録した. 「結果と考察」歩行中の装具内における足底圧中心の前後方向の軌跡は, 全条件下にて進行方向へ直線的に移動するよう調節されていた. 底屈制動時は, 踵接地時から, 足関節を背屈位に保持し, 有意に膝関節を屈曲させて足底圧中心が急速に前...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 37; no. 2; pp. 135 - 136
Main Authors 速水聰, 長谷公隆, 西垣謙, 田沼明, 小宗陽子, 樋口佳子, 辻哲也, 正門由久, 木村彰男, 千野直一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.02.2000
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ISSN0034-351X

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Summary:「目的」健常男性7名を対象に, 短下肢装具の内面と外面における足底圧中心の軌跡を計測し, 足関節制動による影響を運動学的に検討した. 「方法」両側金属支柱付右短下肢装具を使用しての15m直進歩行において, 制動なし, 底屈制動のみ, 背屈・底屈制動の各条件下で, 右足底部装具内外の足底圧, 右股・膝・足関節の関節角度, 右下腿の前後方向における加速度を同時記録した. 「結果と考察」歩行中の装具内における足底圧中心の前後方向の軌跡は, 全条件下にて進行方向へ直線的に移動するよう調節されていた. 底屈制動時は, 踵接地時から, 足関節を背屈位に保持し, 有意に膝関節を屈曲させて足底圧中心が急速に前方に変位しないように調節していると考えられた. 一方, 背屈制動が加えられた場合には, 踵離地時に装具から受ける後方モーメントに対し, 膝関節の伸展運動をコントロールすることで足底圧中心が後方へ逆戻りしないように調節していると推察された.
ISSN:0034-351X