頸部郭清術後の副神経麻痺に対するリハビリテーション

「目的」頭頸部悪性腫瘍手術の頸部郭清後に生じた副神経麻痺に対するリハビリテーションの効果について検討すること. 「方法」対象は1997~2001年にリハを行った副神経麻痺10例(男女各5例, 平均年齢56歳)で, 肩周囲筋群マッサージ, 肩関節他動・自動介動運動, ADL練習などを行い, 肩関節可動域および安静時痛・運動時痛の有無を評価した. 「結果」治療開始時の肩関節自動可動域平均値は, 屈曲107°, 外転59°で最終評価時には屈曲135°, 外転78°と有意に改善した. 治療開始時の安静時痛は全症例の70%, 運動時痛は100%に認め, そのうち最終評価時に症状が改善・消失した症例は安静...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 38; no. 12; p. 1007
Main Authors 松永俊樹, 島田洋一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.12.2001
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Summary:「目的」頭頸部悪性腫瘍手術の頸部郭清後に生じた副神経麻痺に対するリハビリテーションの効果について検討すること. 「方法」対象は1997~2001年にリハを行った副神経麻痺10例(男女各5例, 平均年齢56歳)で, 肩周囲筋群マッサージ, 肩関節他動・自動介動運動, ADL練習などを行い, 肩関節可動域および安静時痛・運動時痛の有無を評価した. 「結果」治療開始時の肩関節自動可動域平均値は, 屈曲107°, 外転59°で最終評価時には屈曲135°, 外転78°と有意に改善した. 治療開始時の安静時痛は全症例の70%, 運動時痛は100%に認め, そのうち最終評価時に症状が改善・消失した症例は安静時痛で60%, 運動時痛は20%であった. 「結論」リハは肩可動域制限や安静時痛の改善に有用である.
ISSN:0034-351X