サルコイドーシスにおけるTH1関連遺伝子解析

サルコイドーシスは原因不明の肉芽腫性疾患であり, なんらかの病原菌に対する免疫応答の異常が想定されている. 結核菌への抵抗性にTH1免疫系が関与することが知られており, TH1関連遺伝子の異常が結核感染や肉芽腫形成に重要であることがマウス, ヒト双方の欠損例から明らかになりつつある. そこで今回我々はサルコイドーシスの発症にTH1関連遺伝子群が関与するか否かについて検討を行った. TH1関連遺伝子としてIFN遺伝子群(ligand and receptors), IL-12(ligand and receptors), シグナル伝達遺伝子について全遺伝子領域をsequenceし, SNP(si...

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Published inサルコイドーシス/肉芽腫性疾患 Vol. 21; no. 2; p. 34
Main Authors 石原麻美, 毛暁全, 榎本雅夫, 嶽良夫, JM Hopkin, 石田敬子, 大野重昭, 白川太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会 18.09.2001
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ISSN1345-0565

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Summary:サルコイドーシスは原因不明の肉芽腫性疾患であり, なんらかの病原菌に対する免疫応答の異常が想定されている. 結核菌への抵抗性にTH1免疫系が関与することが知られており, TH1関連遺伝子の異常が結核感染や肉芽腫形成に重要であることがマウス, ヒト双方の欠損例から明らかになりつつある. そこで今回我々はサルコイドーシスの発症にTH1関連遺伝子群が関与するか否かについて検討を行った. TH1関連遺伝子としてIFN遺伝子群(ligand and receptors), IL-12(ligand and receptors), シグナル伝達遺伝子について全遺伝子領域をsequenceし, SNP(single nucleotide polymorphism)を発見し, 患者と正常対照を用いて関連解析をおこなった. その結果, Type I型IFN遺伝子のSNP及びIL-12のSNPとサルコイドーシスとが有意に関連することが認められた. 同時に行った結核の検討ではこれらのSNPsとの関連が認められなかったことからこの関連はサルコイドーシスに特異的であると考えられた. これらの結果はサルコイドーシスで初めてHLA領域以外で関連を認めたものであり, 今後機能的な解析が必要であると考えられる.
ISSN:1345-0565