職域健診における問診情報の健康管理への活用可能性に関する検討

[目的] 職域健診における問診票から得られる情報が, 健診の有所見の判定に活用されることはほとんどない. しかし生活習慣病やメンタルヘルスへの対策が重要とされる今日では問診票から得られる情報の有用性は高いと考えられる. 今回我々は問診票データの活用方法を検討するための基礎的分析を行った. [方法] 関東地方の1企業における1999年度の職域健診結果を用いて, 問診票から得られる情報と健診異常との関連を, 自覚症状の有訴頻度, 自覚症状と健診異常, 健康習慣と自覚症状について検討した. [結果と考察] 世代間での有訴率と, 健康習慣と有訴率の間には有意な関係が認められ, 自覚症状と健診異常には有...

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Published in産業衛生学雑誌 Vol. 43; no. 6; p. 219
Main Authors 劒陽子, 山本美江子, 松田晋哉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 20.11.2001
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Summary:[目的] 職域健診における問診票から得られる情報が, 健診の有所見の判定に活用されることはほとんどない. しかし生活習慣病やメンタルヘルスへの対策が重要とされる今日では問診票から得られる情報の有用性は高いと考えられる. 今回我々は問診票データの活用方法を検討するための基礎的分析を行った. [方法] 関東地方の1企業における1999年度の職域健診結果を用いて, 問診票から得られる情報と健診異常との関連を, 自覚症状の有訴頻度, 自覚症状と健診異常, 健康習慣と自覚症状について検討した. [結果と考察] 世代間での有訴率と, 健康習慣と有訴率の間には有意な関係が認められ, 自覚症状と健診異常には有意な関係は認められなかった. このように今回の検討結果からは, 問診票から得られる自覚症状の有訴率は, 健診の異常所見とはあまり関連していないことが示唆された. 今後の問診票の有効活用について改めて検討することが必要である.
ISSN:1341-0725
1349-533X