バイオ肝臓の最前線

「はじめに」肝硬変は, あらゆる慢性肝疾患が原因となり, あるいはこれらの疾患が進行した終末像であり, 根治療法はなく, 肝硬変の末期に対しては, 現状では脳死肝移植あるいは生体肝移植が唯一残された道である. 現在, 日本には約25万人の肝硬変患者がおり, 60%がC型肝硬変, 15%がB型肝硬変, 12%がアルコール性肝硬変を基礎疾患として持つとされる. 本邦は, 諸外国に比べてC型肝炎の罹患率が高い. C型肝炎ウイルスの感染により, 慢性肝炎, 肝硬変そして肝癌が発症する事は既知の事実であり, 肝硬変の初期はほとんど症状がないものの, 進行して非代償性肝硬変になると腹水, 浮腫, 消化管出...

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Published in日本再生歯科医学会誌 Vol. 6; no. 2; pp. 135 - 137
Main Author 松山晃文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本再生歯科医学会 30.03.2009
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Summary:「はじめに」肝硬変は, あらゆる慢性肝疾患が原因となり, あるいはこれらの疾患が進行した終末像であり, 根治療法はなく, 肝硬変の末期に対しては, 現状では脳死肝移植あるいは生体肝移植が唯一残された道である. 現在, 日本には約25万人の肝硬変患者がおり, 60%がC型肝硬変, 15%がB型肝硬変, 12%がアルコール性肝硬変を基礎疾患として持つとされる. 本邦は, 諸外国に比べてC型肝炎の罹患率が高い. C型肝炎ウイルスの感染により, 慢性肝炎, 肝硬変そして肝癌が発症する事は既知の事実であり, 肝硬変の初期はほとんど症状がないものの, 進行して非代償性肝硬変になると腹水, 浮腫, 消化管出血, 黄疸, 発熱, 意識障害などが認められる. 内科的には慢性肝炎, 肝硬変の状態でインターフェロンを主体とする内科的治療に治療効果があるとされる. 一方, 肝癌が発症してしまえば, 内科的に根治することは不可能であり, 外科的に腫瘍を摘出することが第1選択となる.
ISSN:1348-9615