鼻腔拡張テープの呼吸機能に与える影響について

「目的」鼻腔拡張テープ(以下テープ)の呼吸機能に与える影響について検討し, 呼吸障害患者に対する治療, リハビリテーションヘの応用について考察する. 「対象」呼吸器疾患及び鼻疾患のない成人20名, 男性10名, 女性10名. 「方法」被検者を閉口, 安静座位にし, マスクを鼻部に当て, テープ装着と未装着状態でスパイロメトリーを施行した. テープはMABCO社製のアクティブマックスを使用した. 「結果」テープ装着により有意に改善したものは, ピークフロー, FEV1.0, MMF,V75, V50であった. 「考察」気流速度の2乗は管の半径の4乗と比例関係になる. つまりピークフロー, 1秒量...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 34; no. 5; p. 361
Main Authors 北川寛直, 水口文, 穂坂雅之, 笠井史人, 水間正澄, 森義明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.05.1997
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ISSN0034-351X

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Summary:「目的」鼻腔拡張テープ(以下テープ)の呼吸機能に与える影響について検討し, 呼吸障害患者に対する治療, リハビリテーションヘの応用について考察する. 「対象」呼吸器疾患及び鼻疾患のない成人20名, 男性10名, 女性10名. 「方法」被検者を閉口, 安静座位にし, マスクを鼻部に当て, テープ装着と未装着状態でスパイロメトリーを施行した. テープはMABCO社製のアクティブマックスを使用した. 「結果」テープ装着により有意に改善したものは, ピークフロー, FEV1.0, MMF,V75, V50であった. 「考察」気流速度の2乗は管の半径の4乗と比例関係になる. つまりピークフロー, 1秒量の改善は気道の半径拡大によると推察する. V75, V50, MMFの改善は, F-V curveにおける努力依存性の因子の改善であり, これらの増加は上気道の拡大との関連が深い. 鼻腔拡張テープは呼吸障害に有効な可能性があると考えられる.
ISSN:0034-351X