強制笑いにおける塩酸アミトリプチリンとL-Dopaの効果について

橋梗塞後に強制笑いが出現した, 右半球症状の強い多発性脳梗塞の1例に, 塩酸アミトリプチン30mg/dayを投与した. 投与後1週間で効果を軽度認め, 2週間後60mg/dayに増量し効果は中程度に認められたが, 日中のねむけが出現した. 本剤を2週間中止後, L-Dopa(ネオドパストン)を投与した. 用量依存性に効果を認め, 600mg/dayでは前薬60mg/dayより効果が認められた. その後ネオドパストン600mg/dayに塩酸アミトリプチリン30mg/dayを併用したところ, 強制笑いの抑制効果を最も強く認めたが, 非常に緊張した場面などでは強制笑いを認め, 消失はしなかったものの...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 37; no. 1; p. 66
Main Authors 大井清文, 高橋明, 柏木一成, 立木光, 吉田政史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.01.2000
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Summary:橋梗塞後に強制笑いが出現した, 右半球症状の強い多発性脳梗塞の1例に, 塩酸アミトリプチン30mg/dayを投与した. 投与後1週間で効果を軽度認め, 2週間後60mg/dayに増量し効果は中程度に認められたが, 日中のねむけが出現した. 本剤を2週間中止後, L-Dopa(ネオドパストン)を投与した. 用量依存性に効果を認め, 600mg/dayでは前薬60mg/dayより効果が認められた. その後ネオドパストン600mg/dayに塩酸アミトリプチリン30mg/dayを併用したところ, 強制笑いの抑制効果を最も強く認めたが, 非常に緊張した場面などでは強制笑いを認め, 消失はしなかったものの, 以上のことから2剤の併用が強制笑いに最も効果があることが示された.
ISSN:0034-351X