千葉市における電動車椅子の交付状況と事前訪問システムについて
移動手段の重要な補装具として処方され判定される「電動車椅子」の千葉市における交付状況を分析し報告した. さらに我々の「電動車椅子事前訪問システム」について紹介した. 「対象」対象は当所開設以来の平成6年4月~平成12年3月の6年間に交付された120症例である. 「結果」交付機種は普通型が6割, リクライニング式, リフト式など多機能型が約1割, 平成9年度より公的給付が認められたばかりの「簡易型」が約3割と著明な増加を示した. 新規が規準外の4例を含め7割弱であり, 交付年齢は18~82歳で平均51.1歳, 性別は男性がわずかに多く, 身障者手帳の等級は1級が80%で, 2級も16.7%を占め...
Saved in:
Published in | リハビリテーション医学 Vol. 37; no. 11; pp. 899 - 900 |
---|---|
Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本リハビリテーション医学会
18.11.2000
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 0034-351X |
Cover
Summary: | 移動手段の重要な補装具として処方され判定される「電動車椅子」の千葉市における交付状況を分析し報告した. さらに我々の「電動車椅子事前訪問システム」について紹介した. 「対象」対象は当所開設以来の平成6年4月~平成12年3月の6年間に交付された120症例である. 「結果」交付機種は普通型が6割, リクライニング式, リフト式など多機能型が約1割, 平成9年度より公的給付が認められたばかりの「簡易型」が約3割と著明な増加を示した. 新規が規準外の4例を含め7割弱であり, 交付年齢は18~82歳で平均51.1歳, 性別は男性がわずかに多く, 身障者手帳の等級は1級が80%で, 2級も16.7%を占めた. 過去6年間を前半期と後半期に分けると, 平成9年度から導入した「事前訪問システム」により, 年齢層も前半期は40歳代30%以上, 次いで50歳代が25%と続いたが, 後半期には60歳代が30%と一番多く, 次いで50歳代20%と続き, さらに70歳代以上も15%と多くなり, 高齢者の交付例が著明に増加していた. 疾患も前半期には脳性麻痺が35%と多くを占めていたが, 後半期には脳性麻痺と神経・筋疾患はそれぞれ25%を占め, 脳血管障害が倍増し内部疾患も著明に増加した. 「考察」平成9年度より導入した「電動車椅子事前訪問システム」により, 疾患の多様化と機種選択の幅が広がり, 簡易型の普及により, 高齢者の利用が増加した. 介護保険制度による電動車椅子利用者の増加が予想されるため, 事前訪問システムの導入が望まれる. |
---|---|
ISSN: | 0034-351X |