CMV抗体測定PA法を用いた献血者CMV抗体スクリーニングについて

近年白血病, 癌及び移植愚老等への輸血によるCytomegalo virus(CMV)感染が問題になっており, このCMV感染を防ぐためにはCMV抗体陰性献血者より得られた血液の使用が有効とされている. 今回我々は, ゼラチン粒子(フジレピオ社より分与)にCMV抗原を感作したCMV抗体測定PA法を確立し, 献血者のCMV抗体保有状況およびフェレーシスドナーのCMV抗体を調べた. また, CMV抗体陰性骨髄移植患者へのCMV抗体陰性血液の輸血を行なった1症例についてもあわせて報告する. まとめ:PA法はEIA法に比し操作も簡単でありマススクリーニングも可能であると共に, EIA法とほぼ同等の感度...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 35; no. 1; p. 109
Main Authors 大矢健一, 船戸悦二, 山田恵美子, 羽澄美枝子, 森島泰雄, 長谷川岩三, 神谷忠, 小久保幸雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.04.1989
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ISSN0546-1448

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Summary:近年白血病, 癌及び移植愚老等への輸血によるCytomegalo virus(CMV)感染が問題になっており, このCMV感染を防ぐためにはCMV抗体陰性献血者より得られた血液の使用が有効とされている. 今回我々は, ゼラチン粒子(フジレピオ社より分与)にCMV抗原を感作したCMV抗体測定PA法を確立し, 献血者のCMV抗体保有状況およびフェレーシスドナーのCMV抗体を調べた. また, CMV抗体陰性骨髄移植患者へのCMV抗体陰性血液の輸血を行なった1症例についてもあわせて報告する. まとめ:PA法はEIA法に比し操作も簡単でありマススクリーニングも可能であると共に, EIA法とほぼ同等の感度を有したため今後有用な検査法と考えられた. また, 1症例ではあるが, CMV抗体陰性骨髄移植患者へのCMV抗体陰性血液の輸血により良い成績が得られたため, CMV感染を防ぐには, CMV抗体陰性血の使用が有用な方法と考えられた.
ISSN:0546-1448