在宅中高齢者のライフ・スタイル標準値とその特性

先行する研究で, 北九州市に在宅する中高齢脳卒中患者は, 男性患者では配偶者や家族に日常生活や社会活動を依存し, 女性患者はより自立したライフ・スタイルを示す傾向にあった. 我々は発病前のライフ・スタイルに男女差があり, 発症後もその状態を継承するために生じた現象と考えている. この仮説を証明するため, 在宅中高齢者のライフ・スタイル標準値を求めその特性を明らかにすることにした. 無作為に中高齢者1,000名を抽出し, その中から調査時に自宅で生活する者を選択して対象とした. まず, 対象者にプロフィル, ADL能力(Barthel Index自己評価表), ライフ・スタイル(Frenchay...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 36; no. 11; p. 837
Main Authors 蜂須賀研二, 筒井由香, 緒方甫, 佐伯覚, 千坂洋巳, 根ヶ山俊介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.11.1999
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ISSN0034-351X

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Summary:先行する研究で, 北九州市に在宅する中高齢脳卒中患者は, 男性患者では配偶者や家族に日常生活や社会活動を依存し, 女性患者はより自立したライフ・スタイルを示す傾向にあった. 我々は発病前のライフ・スタイルに男女差があり, 発症後もその状態を継承するために生じた現象と考えている. この仮説を証明するため, 在宅中高齢者のライフ・スタイル標準値を求めその特性を明らかにすることにした. 無作為に中高齢者1,000名を抽出し, その中から調査時に自宅で生活する者を選択して対象とした. まず, 対象者にプロフィル, ADL能力(Barthel Index自己評価表), ライフ・スタイル(Frenchay Activities Index自己評価表)に関する調査用紙を郵送し, 調査に同意した者には原則として調査員が家庭を訪問し, 欠損値の有無を確認し調査用紙を回収した. 最終的に対象者は752名であり, ADL能力に男女差はなかった. ライフ・スタイルは男性では23.1±8.5, 女性29.4±9.0で女性が有意に活動的であった(t-test, ρ<0.05). General Liner Modelで解析すると, 性別, 年齢, 居住状態, 共変量(ADL能力)が有意な要因であり(GLM, ρ<0.05), 我々の仮説は支持された.
ISSN:0034-351X