積極的な起居・移動動作訓練により客観的に筋力増強効果が認められた遺伝性ニューロパチーの1例

【目的】他院にてポリオ後遺症として治療されていた遺伝性ニューロパチー患者に対して, 積極的な起居・移動動作訓練を行い, そのなかで筋力増強が達成されるかどうか検討する. 【対象・方法】1歳時に発熱後四肢の筋力低下をきたしポリオと診断され, 他院でリハビリテーションを受けて歩行が自立していたが, 30歳頃から両側足部の変形が悪化し歩行困難となり, 他院にて両側足関節固定術を受けたのち, 都立神経病院で遺伝性ニューロパチーと診断された67歳女性患者に対して, 過負荷に十分注意しつつ積極的な起居・移動動作訓練を行い, その効果を実際の起居・移動動作能力の変化や膝関節周囲筋力の筋力評価(MMT, Cy...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 32; no. 12; p. 901
Main Author 尾花正義
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.12.1995
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ISSN0034-351X

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Summary:【目的】他院にてポリオ後遺症として治療されていた遺伝性ニューロパチー患者に対して, 積極的な起居・移動動作訓練を行い, そのなかで筋力増強が達成されるかどうか検討する. 【対象・方法】1歳時に発熱後四肢の筋力低下をきたしポリオと診断され, 他院でリハビリテーションを受けて歩行が自立していたが, 30歳頃から両側足部の変形が悪化し歩行困難となり, 他院にて両側足関節固定術を受けたのち, 都立神経病院で遺伝性ニューロパチーと診断された67歳女性患者に対して, 過負荷に十分注意しつつ積極的な起居・移動動作訓練を行い, その効果を実際の起居・移動動作能力の変化や膝関節周囲筋力の筋力評価(MMT, Cybex IIによる等尺性筋力の最大ピークトルク値, 等運動性筋力の最大ピークトルク値)等で評価した. 【結果】積極的な起居・移動動作訓練を行うことで, 実際の移動能力は車椅子移動レベルから屋内両側松葉杖歩行自立レベルヘと改善した. また, 両側膝関節周囲筋力も, MMT上は両側3から両側4へと変化し, Cybex IIによる等尺性筋力や等運動性筋力の最大ピークトルク値も改善した.
ISSN:0034-351X