健常者に対する体位の違いによるATレベルの変化

脳卒中片麻痺患者の全身的体力の低下に対して, 急性期からできるリハビリテーションプログラムを処方する上で体力の指標を得ることは困難である. 二重積屈曲点(DPBP)は収縮期血圧, 心拍数から非観血的にATレベルを測定できるとされている. 今回我々は予備実験として, 健常者に対して体位の違いによるATレベルの変化を検討した. 対象は平均的体格の48~56歳の女性4名, 座位(ギャッジアップ60度)と臥位にて40rpm, 10W/分の連続漸増負荷法で実施し, 血圧, 心拍数を30秒毎に測定した. 結果は収縮期血圧, Double Productでは臥位のDPBP値に達するまでは相関関係がみられたが...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 36; no. 9; p. 614
Main Authors 佐々木緑, 土岐明子, 藤本幹雄, 住田幹男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.09.1999
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Summary:脳卒中片麻痺患者の全身的体力の低下に対して, 急性期からできるリハビリテーションプログラムを処方する上で体力の指標を得ることは困難である. 二重積屈曲点(DPBP)は収縮期血圧, 心拍数から非観血的にATレベルを測定できるとされている. 今回我々は予備実験として, 健常者に対して体位の違いによるATレベルの変化を検討した. 対象は平均的体格の48~56歳の女性4名, 座位(ギャッジアップ60度)と臥位にて40rpm, 10W/分の連続漸増負荷法で実施し, 血圧, 心拍数を30秒毎に測定した. 結果は収縮期血圧, Double Productでは臥位のDPBP値に達するまでは相関関係がみられたが, 心拍数では一定の傾向を示さなかった. また全員で臥位よりも座位でのDPBPが大きかった. 以上により体幹の支持性の悪い患者でも可能な体位で行えるエルゴメーターを使用して, ATを指標に体内の変化を見ていくことが有用であると考えられた.
ISSN:0034-351X