レプリカ法によるDebonding歯面の経時的観察

DirectBondingSystemは, 現在広く矯正臨床に定着している. しかし実際の臨床的立場から考えた場合, 治療が終了しプラケットを除去するDebonding時に, 歯面が粗造であったり, 着色が生じていることを経験する, 今回われわれは, エナメル質表面がDebonding直後にどのような状態であるか, またさらにその後の口腔内環境における変化を知る目的で, レプリカ法を用いて検討した. 資料は, 本学矯正科にてDirect Bonding Systemにより治療を行った患者の中切歯を用い, Debondingは通常の方法で, 術者の差がでないように同一者が行った. 観察の部位を同...

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Published in昭和歯学会雑誌 Vol. 6; no. 2; pp. 199 - 200
Main Authors 北野誠弓, 小林廣之, 加藤博重, 柴崎好伸, 福原達郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 昭和大学・昭和歯学会 01.09.1986
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ISSN0285-922X

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Summary:DirectBondingSystemは, 現在広く矯正臨床に定着している. しかし実際の臨床的立場から考えた場合, 治療が終了しプラケットを除去するDebonding時に, 歯面が粗造であったり, 着色が生じていることを経験する, 今回われわれは, エナメル質表面がDebonding直後にどのような状態であるか, またさらにその後の口腔内環境における変化を知る目的で, レプリカ法を用いて検討した. 資料は, 本学矯正科にてDirect Bonding Systemにより治療を行った患者の中切歯を用い, Debondingは通常の方法で, 術者の差がでないように同一者が行った. 観察の部位を同一とするため切縁より3.5mmの歯面中央部に目印のノッチをつけ, シリコン印象材で印象を採得後, Bponxによりレプリカを作製し, 走査型電子顕微鏡にて観察, 同時に写真撮影を行った. レプリカ作製は, Debonding直後から3か月の間に必要に応じ実施した. [結果] 1)レプリカ法を用いることにより, Debonding歯面の経時的観察が可能である. 2)Debonding後, すべての歯に粗造面やレジン残余がみられ, 3か月経過しても同様な所見が観察された. 今回は, Debonding時より観察を開始したが, 今後はBonding前の状態の資料と長期にわたる観察, 比較を行う予定である.
ISSN:0285-922X