内臓脂肪と各種因子の検討

「目的」近年, 内臓に脂肪が過剰に蓄積した内臓脂肪型肥満が健康障害をきたす肥満と認識されている. そこで私達は, ドック健診にCT検査を用いて内臓脂肪量を測定し, 内臓脂肪と各種検査データとの関連および内臓脂肪にはどのような生活習慣が関与しているのかを探ることを目的として検討を行った. 「方法」(1)調査時期および対象:平成10年6月より12年3月までにドックを受診し, 内臓脂肪測定を行った908名中, 40~64歳男性で, 病気治療中を除く327名. 内臓脂肪の判定は, 大阪大学松沢らによる区分に従った. (2)検討項目:生化学検査, 血圧, 腹部超音波検査(3)調査項目:食生活, 運動に関...

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Published in日本総合健診医学会誌 Vol. 27; no. 4; p. 419
Main Authors 森田麻友美, 平野弘美子, 松原明夫, 平川茂, 水間美宏, 中川善雄, 宮永實, 米澤勝美, 望月茂, 冨田照見, 松岡謙二, 池田順子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本総合健診医学会 30.12.2000
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ISSN0911-1840

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Summary:「目的」近年, 内臓に脂肪が過剰に蓄積した内臓脂肪型肥満が健康障害をきたす肥満と認識されている. そこで私達は, ドック健診にCT検査を用いて内臓脂肪量を測定し, 内臓脂肪と各種検査データとの関連および内臓脂肪にはどのような生活習慣が関与しているのかを探ることを目的として検討を行った. 「方法」(1)調査時期および対象:平成10年6月より12年3月までにドックを受診し, 内臓脂肪測定を行った908名中, 40~64歳男性で, 病気治療中を除く327名. 内臓脂肪の判定は, 大阪大学松沢らによる区分に従った. (2)検討項目:生化学検査, 血圧, 腹部超音波検査(3)調査項目:食生活, 運動に関する項目「結果」1. 内臓脂肪量から判定された肥満に内臓脂肪と関連が深いとされている10項目(血圧, 脂質代謝, 糖代謝, 脂肪肝)の異常項目該当数が多いことが示された. 2. 食べ方がゆっくり, 昼食の内容が好ましい, 体を動かすことを心がけるなどよい習慣と思われる食生活13項目, 運動2項目で内臓脂肪との間に有意な差や傾向がみられた. これらの項目をそれぞれ1ポイントとして, その合計数と内臓脂肪の関連を検討すると合計点数が増えるにつれ正常者が多くなった. すなわち, 好ましい食生活, 運動習慣を心がけることや実践することが内臓脂肪蓄積の予防や改善につながり, 動脈硬化性の疾患の予防にもつながるといえる.
ISSN:0911-1840