過去6年間に血液センターに報告された輸血副作用の推移

より安全な輸血を目指し, 血液センターが行ってきた医薬情報活動も6年が経過した. この間, インフォームドコンセントの義務化等により輸血副作用に対する関心の高まりから血液センターに寄せられる副作用の件数は増加し続けている. また, 重篤例及び感染症(平成9年4月より)については厚生省に報告してきた. これによって, 種々な安全対策が講じられてきた. 今回, 過去6年間の報告症例について, その推移をまとめ, 輸血医療における本制度の有用性が明らかとなってきたので報告する. 症例と解析)対気症例:1993~98年に医療機関等から報告のあった症例に血液センターの遡及調査により確認された症例を加えた...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 45; no. 2; p. 201
Main Authors 高橋雅彦, 池田和代, 嶋田英子, 柴雅之, 松本千惠子, 川手華与, 小口隆, 矢作裕司, 平川慎一, 藤村佳世子, 光永滋樹, 田所憲治, 十字猛夫, 全国血液センター医薬情報担当者
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.04.1999
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ISSN0546-1448

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Summary:より安全な輸血を目指し, 血液センターが行ってきた医薬情報活動も6年が経過した. この間, インフォームドコンセントの義務化等により輸血副作用に対する関心の高まりから血液センターに寄せられる副作用の件数は増加し続けている. また, 重篤例及び感染症(平成9年4月より)については厚生省に報告してきた. これによって, 種々な安全対策が講じられてきた. 今回, 過去6年間の報告症例について, その推移をまとめ, 輸血医療における本制度の有用性が明らかとなってきたので報告する. 症例と解析)対気症例:1993~98年に医療機関等から報告のあった症例に血液センターの遡及調査により確認された症例を加えた. 集計:医師の判断と厚生省作成の重篤度分類基準により, 解析は輸血後肝炎は輸血血液の保管検体等でのウイルス核酸の証明により, 輸血後GVHDは臨床症状とマイクロサテライト-DNA多型解析により, 溶血, 非溶血性副作用は, 赤血球, 白血球, 血漿蛋白に対する抗体等の解析によった.
ISSN:0546-1448